【IE手法による現場改善③】製品工程分析について知る

改善
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IE手法の製品工程分析について知りたいな、、、。

そんな悩みにお答えします。

☑記事の内容

  1. 製品工程分析とは
  2. 製品工程分析の手順について
  3. 製品工程分析の使い方

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説していきます。

製品工程分析とは

IE手法には工程分析が3種類ありそのうちの一つが「製品工程分析」です。分析の対象を「モノの流れ」とした分析手法です。

工程分析を行う際の注意点

どの工程分析にも共通している注意点があります。

  1. 分析する対象を間違えないようにする
  2. 分析を確実に行い、改善活動に結び付ける
  3. 分析の漏れがないように、最初に分析の範囲を決めておく
  4. 実際に現場で作業者と一緒に考えながら分析する
  5. 工程の流れが変化する場合は、最も基本的な生産の流れに基づいて分析する
  6. 分析中に改善のアイデアを考えておく
  7. 改善案は個別改善より工程全体の改善から考える

ねらい

工程分析のねらいです。

  1. 製品の流れを順序だてて知る
  2. 製品の流れを加工、検査、運搬、停滞の状態で把握し、その回数や比率を知る
  3. 製品の運搬状態を知る
  4. 製品の停滞場所を知る
  5. 製品がスムーズに流れない原因を知る

用途

工程分析の用途です。

  1. 製品の流れに関する問題点を把握するために活用する
  2. 各工程を詳細に分析し、改善するための基礎資料とする
  3. 工程のバランスを検討するための資料とする
  4. 工程改善の目標を設定する場合に利用する
  5. 工程改善の効果を確認する場合に活用する
  6. 製品の流れに関する問題点を把握するために活用する
  7. 各工程を詳細に分析し、改善するための基礎資料とする
  8. 工程のバランスを検討するための資料とする
  9. 工程改善の目標を設定する場合に利用する
  10. 工程改善の効果を確認する場合に活用する

製品工程分析の手順について

製品工程分析の手順です。手順が多いですが一つ一つ丁寧に行っていきましょう。

  1. 分析の目的を決める
  2. 工程の範囲を決める
  3. 分析対象となる製品を決める
  4. 分析の日程計画を立てる
  5. 予備調査をする
  6. 分析の準備をする
  7. 分析用紙に必要事項を記入する
  8. 工程の内容を調べ4種に分類する
  9. 調査事項を各項目の欄に記入する
  10. 結果を整理し総括表を作成する
  11. 流れ線図を作成する
  12. 分析結果を検討し、改善案を立案する

分析の目的を決める

目的によって必要な精度や結果のまとめ方が違うため、最初に何が問題なのか、目的は何かをはっきりさせます。

  • 工程全体の工数を削減したい
  • 工程間のバランスをとりたい
  • レイアウトの改善を行いたい
  • 作業の改善を行いたい

などの目的を具体的決めることで、分析の要点や調査項目をはっきりさせることができます。

工程の範囲を決める

どの工程から、どの工程までを分析する必要があるのかを分析の目的から考えて決定します。

範囲が不明確だと余分な調査を行ったり、調査が足りないといった事態が発生します。

分析対象となる製品を決める

分析対象の工程の製品が1種類の場合は問題ありませんが、数種類ある場合は対象の製品を決定します。

  • 生産量が多くその工程の主力となる製品
  • 流れの順序が一定の製品
  • 工数が多いなど問題を抱えている製品

など、目的を考慮しながら決定します。

分析の日程計画を立てる

分析する日時、期間と分析者を決定し、日程計画を立てます。

分析する日時や期間に対象とする製品が流れているかの確認を十分に行います。

関係者に日程表を周知することも大切です。必要に応じてTOリストやスケジューラーに反映させて管理します。

予備調査をする

効率よく分析をするために予備調査が重要です。必要な資料を準備、確認することで工程や成否人についての知識を再確認します。

よく知っている製品や工程の場合でも確実に行います。

  1. 方法についての参考にするもの
    1. 製造規格、JISやISOなどの製造法規格、作業指示書
    2. 製品について参考にするもの
    3. 設計図、検査基準
  2. 材料について参考にするもの
    1. 材料基準
  3. 設備について参考にするもの
    1. 配置図、設備一覧表
  4. 生産について参考にするもの
    1. 生産予定表

分析の準備をする

分析に必要な用具や資料を準備します。

  1. 用具として準備するもの
    1. 分析用紙
    2. 筆記用具
    3. 観察用のDMストップウォッチ(DMとは分を100分割した単位)
    4. 巻き尺(配置図があれば不要)
    5. メモ用紙
  2. 資料として用意するもの
    1. 予備調査での資料
    2. 工程分析チェックリスト

分析用紙に必要事項を記入する

分析前にわかっている事項を分析用紙に記入していきます。

項目内容
行程系列名工程全体の名称
分析範囲分析の初めと終わりの工程
製品名 工程を流れている製品名称
分析対象製品工程分析と作業者工程分析の区分
氏名分析者名
所属  工場、所属課名、グループ名など
年月日工場、所属課名、グループ名など

工程の内容を調べ「4種」に分類する

行程内容を調査し加工、運搬、検査、停滞に分類します。

製品工程分析は製品を対象とするため、作業者の仕事と混同しないように十分に注意します。

「製品がどのようにして造られているか?」と常に検討することや「何のためにその方法で造るのか?」と目的を考えながら調べることが大切です。

製品が一時停滞している場合でも「冷却」や「エージング」といった目的あればその工程は「加工」になります。

工程の流れを分析する際は「管理工程図」や「QC工程表」などと比較を行うと効率的です。また、それらの資料と工程の現状の違いを把握することも重要です。

調査事項を各項目の欄に記入する

各工程についての時間、数量、運搬距離、設備などを調査します。調査項目は下記の通りです。

  1. 加工
    1. 主体:作業者(職名、人数)、機械設備(名称、機番、台数、材料、部品)
    2. 場所:作業場所
    3. 時間:加工時間、単位当たり生産量
    4. 方法:加工部位、加工順序、加工条件、主要治工具
  2. 運搬
    1. 主体:作業者(職名、人数)、運搬設備(名称)、運搬手段(名称)
    2. 場所:運搬距離、経路、回数
    3. 時間:運搬時間
    4. 方法:1回の運搬回数、積み込み方法、積み下ろし方法、使用工具
  3. 検査
    1. 主体:作業者(職名、人数)、検査機器(名称、精度)
    2. 場所:検査場所
    3. 時間:検査時間
    4. 方法:検査箇所、検査方法、規格、不良率
  4. 停滞
    1. 主体:保管責任者
    2. 場所:置き場所、保管場所
    3. 時間:停滞時間、停滞数量、出入庫月日
    4. 方法:容量、置き方

全てを調査する必要はなく、分析の目的や精度により必要なものを選んで調査します。調査した内容は分析表の各項目に記入していきます。

結果を整理し総括表を作成する

分析が終われば「分析もれ」「間違い」がないか確認し、必要に応じて補足調査を行います。

確認後、「工程数」「時間」「距離」などの合計を求め総括表を作成します。

総括表は、各工程の回数や時間の比率から問題を発見したり、改善案との比較を実施するために必要になります。

流れ線図を作成する

配置図に製品の流れを分析号を用いて記入し「流れ線図」を作成します。

「流れ線図」は配置図上に実際の製品の流れと同じように表すことができます。

「流れ線図」を作成することにより

  1. 流れが逆戻りしている
  2. 流れが交差している
  3. 流れがジグザグである
  4. 流れを妨害するものがある
  5. 不必要に遠回りしている

などのレイアウト上の問題点を明らかにすることができます。

分析結果を検討し、改善案を立案する

分析結果が整理できれば分析表や総括表、流れ線図から工程全体の検討を行います。

各工程に対してなぜなぜ分析、5W2H法やチェックリストなどによって改善案を立案します。

パレート図、ヒストグラム、特性要因図などで図表化すると効果的です。

製品工程分析の使い方

製品工程分析は工程の改善を中心に維持・管理活動に幅広く用いることができます。

  1. 全体の流れを系統的につかみ、問題点を見つける場合に活用
  2. 問題工程を全体的な立場で位置付ける場合に活用
  3. 的確な改善目標を定める場合に活用
  4. 工程の概要を説明する場合に活用
  5. 改善効果を調べるときに活用

全体の流れを系統的につかみ、問題点を見つける場合に活用

製品の流れの順に工程を分析、整理することによってスムーズな流れを阻害する問題点を見つけるときに活用します。

工程を記号化した図表により一目で工程全体を見ることによって流れの問題点を容易に把握できます。

問題工程を全体的な立場で位置付ける場合に活用

「工数が多い」「製品の停滞が多い」などといった問題がある工程があった場合、細かく分析する前に全体的に工程を把握する場合に活用します。

細かい分析に取り組んでしまうと、狭い範囲の分析になり改善も小さなものになる場合があります。これを防ぐためにも、その工程を含む全体の流れや前後関係を知ることは詳細分析の基礎資料として重要です。

的確な改善目標を定める場合に活用

工程の改善を行うときは明確な目標設定が必要です。

工程分析により「どの工程を」「どの程度改善するか」などを数値で捉えます。

各工程の内容を調べ、「その工程が製品を作るうえで必要かどうか」を検討し、不必要であったりムダがある工程をを確認します。その後、総括表の各工程の項目や数、時間について不要な工程を除き改善目標を作成します。

工程の概要を説明する場合に活用

作業や機械設備の改善を報告する場合、行程分析図により工程の概要を説明した後に改善について説明します。

こうするこで説明相手が工程全体を認識でき、意思疎通が効率的に行えます。

改善効果を調べるときに活用

分析図表や総括表で現状と改善案を比較することで、改善のメリット、デメリットを数字で具体的に示すことができます。

改善を行った後で実際の改善効果がどの程度あったのかを調べるときにも活用できます。

まとめ

☑記事のまとめです

  1. 「製品工程分析」は分析の対象を「モノの流れ」とした分析手法
  2. 製品工程分析の手順についての説明
  3. 製品工程分析の使い方
    1. 問題工程を全体的な立場で位置付ける場合
    2. 的確な改善目標を定める場合
    3. 的確な改善目標を定める場合
    4. 工程の概要を説明する場合
    5. 改善効果を調べるとき

IE手法の製品工程工程分析について大枠を解説しました。

他の分析についての詳細は別記事で開設予定です。