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【現場改善に役立つ】マインドマップの書き方

💬 「マインドマップで考えろ」って言われたけど、どう描けばいいの、、、?

💬 描いてはみたけど、結局なにも進まないんだよなぁ、、、

💬 現場の問題整理に、どう使えばいいんだろう、、、?

そんな悩みにお答えします。

☑ 記事の内容

  1. マインドマップが現場改善で役立つ3つの理由
  2. 現場で守るべき4つのルール (12ルールは多すぎる)
  3. 30分で1枚仕上げる5ステップ
  4. 失敗しがちな書き方3パターンと対処法
  5. なぜなぜ分析・5W2Hとの組み合わせ方
  6. 紙とソフトの使い分け

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。現場で何百枚ものマインドマップを若手と一緒に描いてきた中で、伸びる人と止まる人を分けているのは 「広げきってから絞る」順番を守れているか だと確信しています。

そんな私が解説していきます。

改善活動の全体像については ▶ 中小製造業の現場改善 完全ガイド に、人と組織のマネジメント全体については ▶ 製造業の人と組織マネジメント 完全ガイド にまとめています。

マインドマップとは ── 現場改善で使える3つの理由

マインドマップとは、用紙の中央にテーマを置き、放射線状にキーワードを広げていく 思考の整理ツール です。イギリスの教育学者トニー・ブザン氏が提唱したもので、頭の中の連想をそのまま紙に書き出すことで、考えのヌケモレを目で見て確認できるのが特徴です。

「自由に描くお絵描き」と思われがちですが、現場改善の場面では明確に役立つ場面があります。私が現場で使い続けて実感している、役立つ理由は次の3つです。

  1. 思考のヌケモレを可視化できる ── 頭の中だけで考えていると同じ箇所をぐるぐる回りがちですが、紙に出すと「人について考えていない」「設備のことが抜けている」が一目で分かります。なぜなぜ分析の準備としても効果的です
  2. 1人の頭の中をチームで共有できる ── 自分が何を考えているかを言葉で説明するのは難しいものですが、マインドマップを1枚見せれば一発で伝わります。会議の前に1枚描いて持ち込むだけで、議論のスタート地点が揃います
  3. 全体像を俯瞰して優先順位を付けられる ── 広げきった後にマップ全体を眺めると、「ここは重い/ここは薄い」の濃淡が見えてきます。やる/やらないの判断が早くなり、無駄な打ち合わせが減ります

整理の道具としては、5W2Hやなぜなぜ分析と並ぶ「問題整理ツール」の1つです。役割を一言で言い分けると、5W2Hは「型」に当てはめる道具、なぜなぜ分析は「縦」に深掘る道具、マインドマップは「横」に広げる道具になります。最初に広げてから絞り込む順番でつなげば、3つの道具は相性よく機能します。

マインドマップの12ルール ── 現場で守るべき4つだけに絞る

トニー・ブザン氏は本家のマインドマップに 12のルール を定めています。色を3色以上使う、ブランチに曲線を使う、絵を描く、楽しむ、創造的に描く、、、など内容はかなり多岐にわたります。

しかし、現場改善の場で12ルールすべてを守ろうとすると、ルールを覚えるのに疲れて肝心の「考える」ができなくなります。私が現場で若手に伝えているのは、次の4つだけ守ればいいというシンプルな型です。

  1. 無地の用紙を横長で使う ── 罫線があると線に縛られてしまいます。A3コピー用紙の白紙を横向きに使うのがオススメ
  2. 中央にテーマを置く ── 紙の真ん中に、これから考えるテーマを1行で書きます。四角や丸で囲むと中心が見やすくなります
  3. 1ブランチ=1ワード ── 1本の線には1つの単語だけ。「作業者の疲労」ではなく「疲労」だけ書きます。文章を書き始めたら止めるサイン
  4. 思いつくまま広げる ── 順番にこだわらず、出てきたものから書きます。「これ違うかな?」と評価せずに、まずは出し切ります

残りの8ルール (色を使う・絵を描く・楽しむ など) は、創造性を高めるための工夫として有効ですが、現場では割愛してしまって構いません。プライベートで読書ノートを描くときの参考ぐらいに考えておけば十分です。

4ルールだけに絞ったほうが、若手が「やってみよう」と動きやすくなります。完璧を目指して書き始められないより、4ルールで雑にでも1枚描き上げるほうが、現場では何倍も価値があるのです。

マインドマップの書き方5ステップ ── 30分で1枚仕上げる手順

4つのルールに沿って、実際に1枚仕上げる手順を5ステップに分けます。慣れれば1枚30分で描き上がります。

ステップ1: 中央にテーマを書く (約2分)

用紙の中央に、これから考えるテーマを1行で書きます。改善現場では 「具体的に何を/いつ」を入れる のがコツです。

  • NG: 「品質改善」「コストダウン」 (大きすぎて拡散する)
  • OK: 「A製品のキズ不良 (5月)」「段取り替え時間が長い (B号機)」

テーマの絞り方は5W2Hの考え方とまったく同じです。問題文を1行に絞る型については ▶ 5W2Hとは何?5W1Hとどう違うの? も合わせてどうぞ。

ステップ2: 第1階層のブランチを5〜7本伸ばす (約5分)

中央テーマから、太い線で第1階層のブランチを伸ばします。現場改善のテーマであれば 4M+α (人/設備/材料/方法/環境/管理) をブランチに据えるのがオススメです。考える軸が最初から揃うので、思考のヌケモレが激減します。

ステップ3: 各ブランチを2〜3階層まで深掘る (約15分)

第1階層のブランチから、さらに細い線で第2階層・第3階層を伸ばします。ここが「広げる」フェーズの本番です。1ブランチ=1ワードを守りながら、思いついたものをどんどん書き出します。

このフェーズで一番大切なのは 評価しないこと です。「これは関係ないな」「これは原因じゃないな」と考え始めると手が止まります。とにかく書き出し続けます。

ステップ4: 関連線を引く (約3分)

広げ終わったら、異なるブランチ間でつながる要素を点線で結びます。例えば「疲労」と「見落とし」、「照度」と「ミス」など、別々のブランチに出てきた要素同士が関連していることはよくあります。点線で結ぶと、深掘りすべき要素が浮かび上がってきます。

ステップ5: 振り返り (約5分)

最後に、マップ全体を眺めて重要な箇所に印を付けます。マーカーで○を付ける、グルーピングして囲む、気付きを余白に書き出す、、、など、ここで初めて「絞り込み」を行います。

絞り込みで重要なものが1〜2本に決まったら、その要素について なぜなぜ分析で深掘り に進みます。広げてから絞る、絞ったら深掘る ── この順番を守るだけで、空中戦の打ち合わせが激減します。

失敗しがちな書き方3パターン ── 描いても進まないワケ

マインドマップを描いても改善が進まない人には、共通する失敗パターンがあります。現場で見続けてきた中で、特に多いのが次の3つです。

パターン1: 中央テーマが大きすぎる

1つめは、中央テーマが 抽象的すぎて拡散する パターンです。「品質改善」「コストダウン」「働き方改革」のように大きなテーマを中央に置くと、ブランチがあらゆる方向に伸びてしまい、1枚描き終わっても結局なにも決まりません。

解決策はシンプルで、「何を/いつ」を限定する ことです。「品質改善」ではなく「A製品のキズ不良 (5月)」、「コストダウン」ではなく「第2ラインの段取り工数 (今四半期)」のように、対象と期間を絞ります。テーマが具体的になるほど、ブランチも具体的に伸び、結論にたどり着きやすくなります。

パターン2: ブランチが文章になる

2つめは、1本のブランチに 文章を書き込んでしまう パターンです。「作業者が疲れていて見落とすことが多い」「設備の油圧が低くて加工精度が落ちる」のように、原因と結果を1ブランチにまとめて書いてしまうと、それ以上分解できなくなります。

解決策は 1ブランチ=1ワードを厳守する ことだけです。先ほどの例なら「疲労」「見落とし」と分けて2本のブランチにします。「油圧低下」「加工精度」と分ければ、それぞれをさらに深掘りできます。1ワードに分解した瞬間に、思考の余地が一気に広がるのです。

パターン3: 出し切る前にまとめようとする

3つめは、発散の途中で収束に入ってしまう パターンです。描き始めて10分ほどで「もういいかな」「だいたい出たかな」と整理に入ってしまう人がとても多いのです。出し切る前にまとめると、毎回同じ結論にしかたどり着けません。

解決策は 時間で区切る こと。発散フェーズに20分・収束フェーズに10分、と最初に決めて、発散時間中は絶対に絞り込まないと決めておきます。タイマーをかけるのが効果的です。

この「発散と収束を分ける」考え方は、なぜなぜ分析でもまったく同じです。途中で答えに飛びついて止まってしまう典型パターンは ▶ なぜなぜ分析ができない理由3選 にまとめています。マインドマップとなぜなぜ分析で共通の落とし穴なので、合わせて押さえておきたいところです。

現場改善でマインドマップを使う4つの場面

マインドマップは「いつでも描けばいい」ものではありません。現場改善で特に効くのは、次の4つの場面です。

  1. テーマの選定 ── 「何を改善すべきか」が漠然としているとき。中央に「うちの工程の問題」と置き、4Mで広げると候補テーマが一覧化されます
  2. 要因の解析 ── なぜなぜ分析の前処理として広げるとき。中央に「A製品キズ不良」と置き、要因候補を全部出し切ってから、重要なものに絞ってなぜなぜに進みます
  3. 対策案の出し切り ── 1案で決め打ちしないとき。中央に「キズ不良の対策」と置き、複数案を並べてから比較検討すると、より良い案が選べます
  4. 振り返り ── 改善活動の後、残課題や2次効果の取りこぼしを防ぐとき。中央に「今回の改善活動」と置き、成果/残課題/副次効果/次回への引き継ぎ で広げます

4場面に共通するのは 「視野が狭くなりがちな瞬間」 ということです。1人で考えていると見落としが必ず出ます。マインドマップを1枚描いてから次の工程に進む癖を付けると、後戻りが激減します。

そもそも「うちの現場の問題が何か分からない」段階の方は ▶ よくある問題点10選 も合わせてどうぞ。10個の代表的な問題点が分かると、中央テーマが置きやすくなります。

マインドマップとなぜなぜ分析の組み合わせ ── 広げてから深掘る

マインドマップとなぜなぜ分析は、組み合わせて使うと真価を発揮します。役割の違いを整理すると次のとおりです。

  • マインドマップ ── 横に広げる道具。要因候補を網羅的に洗い出すフェーズで使う
  • なぜなぜ分析 ── 縦に深掘る道具。絞り込んだ1〜2要因について真因まで掘り下げるフェーズで使う

現場での進め方は、次の3ステップが基本形になります。

  1. マインドマップで要因候補を全部出す (発散) ── 4Mで広げ、思いつくまま出し切ります。20分が目安
  2. 重要そうな1〜2本のブランチに絞る (絞り込み) ── マップ全体を眺めて、最も影響が大きそうな要因を選びます。5分が目安
  3. 絞った要因について「なぜ」を5回 (深掘り) ── ここで初めてなぜなぜ分析に入ります。広げきった後なので迷子になりません

1人なぜなぜが空中戦になる典型は、広げる工程をスキップしていきなり深掘りに入る ことです。最初の問いが「なぜA製品にキズが出るのか?」だと、答えが100通り出てしまって決められません。マインドマップで広げてから絞ってのなぜなぜは、圧倒的に手戻りが少なく済みます。

絞り込んだあとに何に注目すべきかは ▶ よくある問題点10選 が参考になります。代表的な問題点を頭に入れておくと、ブランチを絞る判断が速くなります。

紙とソフト どちらで描くか ── 用途別の使い分け

マインドマップは紙でもソフトでも描けます。「どっちがいいの?」とよく聞かれますが、答えは 「場面で使い分ける」 です。それぞれのメリットを整理します。

紙のメリット

  • 自由度が高い ── 線も文字も思いのまま。ソフトの操作に縛られない
  • 描くのが速い ── 鉛筆1本で書き殴れるので、発散フェーズに向く
  • 複数人で囲める ── A3用紙を会議机に広げると、その場で全員が書き込めてアイデアが集まりやすい

ソフト (XMind / MindMeister など) のメリット

  • 編集が容易 ── ブランチの追加・削除・順番入れ替えが自由
  • 共有・再利用が容易 ── ファイルをチームで共有し、後日アップデートできる
  • 報告書に貼り付けやすい ── 画像書き出しで報告書やプレゼン資料に貼れる。手書きを写真撮影するより圧倒的にきれい

使い分けの基準

  • 1人で発散させたいとき → 紙 (A3用紙) で。速さと自由度を優先
  • チームで共有・更新するとき → ソフトで。後から追記する人が複数いるならソフトが圧倒的に楽
  • 報告書に添付するとき → ソフトで清書。手書きの写真は意外と読みにくい

個人的なオススメの流れは、発散は紙、清書はソフトです。A3用紙で雑にでも1枚仕上げてから、清書版をソフトで作って報告に添えるパターンです。報連相で報告に添える際のコツは ▶ 報連相のコツと事例 にまとめています。「ご報告です」「マップ1枚を添付しました」「ご相談点は○○です」と整理するだけで、上司の理解が一段速くなります。

まとめ

記事のまとめです。

  1. マインドマップは 横に広げる思考整理ツール ── 5W2H (型) / なぜなぜ分析 (縦) と組み合わせて使う
  2. 12ルールは多すぎる ── 現場では 「無地横長/中央テーマ/1ブランチ1ワード/思いつくまま」の4つだけで十分
  3. 書き方は5ステップ ── ①中央テーマ ②4Mでブランチ ③深掘り ④関連線 ⑤振り返り (合計30分)
  4. 失敗の3パターン ── ①テーマが大きすぎる ②ブランチが文章になる ③出し切る前にまとめる
  5. 現場で使う4場面 ── テーマ選定 / 要因解析 / 対策案出し / 振り返り
  6. なぜなぜ分析との組み合わせは 広げてから絞って深掘る の順
  7. 紙とソフトの使い分けは 発散は紙・清書はソフト がオススメ

マインドマップの書き方について解説しました。

そんなわたしも、新人の頃は「品質改善」のような大きすぎるテーマで描き始めて、結局なにも決まらないマップを量産していた一人です。中央テーマを「A製品のキズ不良 (5月)」のように絞り、発散と収束を時間で区切る癖を付けてから、1枚描くたびに次の動きが決まるようになりました。コツコツと積み上げて改善活動を進めていきましょう。

改善活動の全体像は ▶ 中小製造業の現場改善 完全ガイド に、人と組織のマネジメントは ▶ 製造業の人と組織マネジメント 完全ガイド にまとめています。

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