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【解決策付き】なぜなぜ分析ができない理由3選 ── 現場で回し続ける準備と会議運用のコツ

💬 なぜなぜ分析、本で勉強したのに現場では1度も使っていない、、、

💬 始めても3つめの「なぜ?」で行き詰まって、会議が止まってしまう、、、

💬 解決策まで出した気になるけど、結局 翌月また同じ問題が出るんだよなぁ、、、。

そんな悩みにお答えします。

☑ 記事の内容

  1. なぜなぜ分析が「できない」と感じる3つの理由
  2. 理由ごとの解決策と、現場で回す3つのテンプレ
  3. なぜなぜ分析を回し続ける会議運用の3ルール
  4. 真因が出たあとに必ずやる「8原則接続」

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説していきます。

改善活動の全体像については ▶ 中小製造業の現場改善 完全ガイド にまとめています。なぜなぜ分析を始める前に押さえておくべきことは ▶ なぜなぜ分析を始める前の注意点 に詳しくまとめています。

なぜなぜ分析が「できない」と感じる3つの理由

なぜなぜ分析を本で勉強したのに、現場では1度も使わずに終わる ── そんな人には共通する3つの理由があります。私が指導してきた現場でも、ほぼ例外なくこの3つのどれかに引っかかっています。

  1. 分析フォーマットを持っていない ── 何にどう書くかが毎回バラバラで、分析より作図に時間を取られる
  2. 問題文を整理せずに始めてしまう ── 範囲が広すぎる問題をそのまま掘ろうとして、3回目で迷子になる
  3. 対象についての知識が足りない ── 現場・現物を見ずに机上で「なぜ?」を問うので、ヌケやモレが起きる

つまり、なぜなぜ分析が「できない」のは、分析手法の問題ではなく準備の問題です。準備の3点を整えるだけで、なぜなぜ分析は驚くほどサクサク進むようになります。

ここからは、3つの理由それぞれに対する解決策を順に解説していきます。

解決策① 分析フォーマット ── A4 1枚で回す型を持つ

理由①の「フォーマットを持っていない」への解決策は、A4 1枚で完結する型を1つ用意することです。

フォーマットを持たずに分析を始めると、こんなことが起きます。

  • 紙とペンの場合 ── 後半になると追記や修正のスペースが足りなくなり、書き直しに時間を取られる
  • パソコンの場合 ── 分析を考えている時間より、文字入力と作図操作の時間のほうが長くなる

つまり、分析そのものに集中できないのです。

A4 1枚に必ず入れる7つの欄

ツールは何でもかまいません。紙でも、Excel でも、マインドマップソフトでも、Miro のようなオンラインホワイトボードでも、回せます。大事なのは「毎回同じ7つの欄」を持つことです。

  1. 問題文 (5W2H で1行)
  2. 事実の確認 (現場・現物で見たこと)
  3. なぜ① (主語+動作で書く)
  4. なぜ② 〜 ⑤
  5. 真因 (1行で書き直す)
  6. 対策案 (8原則のどれを使うか)
  7. 担当・期限

この7欄を1枚に納める型を1つ持っておけば、明日からなぜなぜ分析が回ります。逆に言うと、この7欄のどれかが抜けたまま分析を始めると、必ずどこかで止まるのです。

フォーマットの中で特に重要なのが「なぜ」の表現です。「なぜ」の抜け漏れを防ぐ具体的な書き方は ▶ 「なぜ」の抜け漏れ 見落としチェックリスト で整理しています。

解決策② 問題文を 5W2H で1行に絞る

理由②の「問題文を整理せずに始めてしまう」への解決策は、5W2H で問題文を1行に絞り込むことです。

例えばこんな問題文を見たことはないでしょうか。

  • 「子どものテストの点数が上がらない」
  • 「ラインの不良率が高い」
  • 「若手が育たない」

どれも問題っぽく見えますが、このまま「なぜ?」を問うと、3回目あたりで迷子になります。範囲が広すぎて、どの方向に掘っても正解に見えてしまうのです。

5W2H で絞った Before/After

解決策はシンプルで、5W2H (Who/When/Where/What/Why/How/How much) のうち、わかる項目を全部問題文に入れて1行に書き直すことです。

Before (絞れていない)After (5W2H で絞った)
子どものテストの点数が上がらない中2の長男が、英語の定期テストで、ここ3回連続で70点未満
ラインの不良率が高い第2ラインのA工程で、今月に入ってから 不良率が前月比2倍 (1.0% → 2.1%)
若手が育たない入社2年目のBさんが、3回連続で同じ手順ミスを繰り返している

Before と After を見比べると、After のほうが「なぜ?」を問いやすいことが一目でわかります。主語・時期・対象が具体化された瞬間に、なぜなぜ分析は前に進めるようになるのです。

分析対象が複数になりそうな場合は、1つの分析にまとめてはいけません。1分析 = 1問題文が鉄則です。複数あれば複数の分析事例として分けて扱いましょう。なぜなぜ分析を始める前に必ず確認しておきたい点は ▶ なぜなぜ分析を始める前の注意点 でも詳しく解説しています。

解決策③ 知識不足は「3現主義」と「共同分析」で埋める

理由③の「対象についての知識が足りない」への解決策は、3現主義 (現場・現物・現実) で事実を集め、知識のある人と共同で分析することです。

知識不足のサインは明確で、次の3つの状況のいずれかに当てはまる時です。

  1. 配属直後で、対象工程の経験が3ヶ月未満
  2. 新製品・新ライン・新サービスの立ち上げ直後
  3. 過去に1度も触ったことのない設備・工程の問題

このサインが出ている時に1人で机上のなぜなぜ分析を始めると、確実に分析のヌケ・モレが起きます。なぜなら、知らないことは「なぜ?」を問えないからです。

3現主義 ── 必ず現場で事実を見てから分析する

3現主義とは、現場・現物・現実の3つを必ず自分の目で確認することです。会議室の机上で「たぶんこういうことだろう」と推測した「なぜ?」は、ほぼ100%外れます。

具体的には、なぜなぜ分析を始める前に次の3つを行いましょう。

  • 現場 ── 問題が起きた場所に必ず立つ。動線・レイアウト・周辺工程を見る
  • 現物 ── 不良品・帳票・記録など、問題そのものを実物で確認する
  • 現実 ── 当事者の作業を実際に見る (本人へのヒアリングだけで終わらせない)

この3つを押さえてから初めて、なぜなぜ分析の机に座ります。

共同分析 ── 詳しい人を1人だけ呼ぶ

3現主義をやっても知識が足りない時は、詳しい人を1人だけ呼んで共同分析に切り替えます。

ポイントは「1人だけ」です。3人も4人も呼ぶと意見がバラけて、分析が進まなくなります。対象工程に一番詳しい1人 ── ベテラン作業者・設備担当・前任者 ── に絞って同席してもらうのが鉄則です。

共同分析のときは、知識のある人に「なぜ?」を答えてもらい、こちらは「事実かどうか」「主語があるか」「時期が入っているか」を確認する役に回ります。役割分担をはっきりさせることで、知識不足のままでも質の高い分析ができるのです。

私が新人の頃に失敗したのは、配属3ヶ月目で1人でなぜなぜ分析を回そうとしたことでした。設備のことも作業のこともわかっていないので、出てくる「なぜ?」が全部当て推量になり、最後に出した対策は的外れで、3ヶ月後に同じ不良が再発しました。「知らないことは恥ではない、知ったかぶりが失敗を生む」── これは10年経った今でも変わらず大事にしている考え方です。失敗事例と回避策は ▶ なぜなぜ分析を成功に導く7つのポイント にまとめています。

なぜなぜ分析を回し続ける会議運用の3ルール

準備が整っても、会議運用が下手だとなぜなぜ分析は途中で止まります。私が現場で繰り返し使ってきた3つのルールを紹介します。

ルール① 7割の精度で進める ── 見直し前提

なぜなぜ分析の途中で「この表現で合っているかな?」と止まってしまう人は多いです。そこで止まると会議が進みません。

解決策は、7割の精度で進めて、最後にまとめて見直すと決めることです。サクサク進めても、じっくり考えても、最後に第三者の目を入れる工程は必ず必要になります。それなら最初から「見直す前提」で7割の精度で次々と「なぜ?」を出していくほうが、結果的に質の高い分析にたどり着くのです。

具体的には、なぜなぜシートを 1stドラフト → 2nd見直し → 3rd第三者レビュー の3回転で仕上げる流れにします。1stドラフトは多少粗くてもいいので、止まらず最後まで掘り切ることを最優先にしましょう。完璧を目指して止まる人より、粗くても最後まで掘り切る人のほうが、結果的に良い真因にたどり着きます。

ルール② 「なぜ?」のたびに主語・時期・対象を口に出す

2つめのルールは、1回「なぜ?」を問うたびに、必ず主語・時期・対象を口に出して確認することです。

「作業者が見落とした、なぜ?」ではなく、「作業者Aさんが、12時の交代直後に、検査No.3を見落とした、なぜ?」と問います。主語・時期・対象が口に出されないと、答えも曖昧になり、対策も曖昧になってしまうのです。

ここでよく出てくる曖昧表現 (「意識が無い」「徹底します」など) を避ける具体例は ▶ 使ってはいけないNGワード10選 で5タイプに分類して解説しています。

ルール③ 会議の終わりに「8原則のどれを使うか」を1人が宣言する

3つめのルールが一番大事です。会議の終わりに、必ず1人が「真因に対して、8原則のどれを使うか」を口頭で宣言すること。

「真因はわかった」で会議を終えると、翌週には誰も覚えていません。「真因に対して、まず廃止が使えないかを試す」「ダメなら結合を検討する」── ここまで宣言して初めて、なぜなぜ分析は完成します。

つまり、なぜなぜ分析の出口は「8原則のどれを使うかの宣言」なのです。

真因が出たあとに必ずやる「8原則接続」

ルール③で触れた「8原則接続」をもう少し詳しく説明します。

なぜなぜ分析は「なぜ起きているか」を掘る道具です。一方、改善の8原則は「何を変えるか」を決める道具です。この2つは必ずセットで使います。

真因が出たあとの接続手順は、次の5ステップです。

  1. 真因を1行で書き直す (主語・時期・対象を含めて)
  2. 真因に対して 廃止 が使えないかを最初に問う
  3. ダメなら 削減 → 容易化 → 標準化 → 結合 → 分離 → 順序変更 → 改善 の順に試す
  4. 当てはまる原則を1つ選ぶ
  5. 選んだ原則を使った具体策を1つに絞って実行する

ポイントは、原則を試す順番です。廃止から始めるのは、その作業そのものを無くせるなら、それが一番効果が大きいからです。なぜなぜ分析の真因に対して「そもそも、その作業 必要?」と問うところから始めると、対策の質が一段上がります。

8原則の中身と具体例は ▶ 改善の8原則の使い方 で詳しく解説しています。

まとめ

記事のまとめです。

  1. なぜなぜ分析が「できない」のは、分析手法の問題ではなく 準備の問題
  2. 3つの理由 = ①フォーマットを持っていない ②問題文を整理していない ③対象の知識が足りない
  3. 解決策 = ①A4 1枚 7欄の型 ②5W2H で問題文を1行に絞る ③3現主義 + 詳しい人1人と共同分析
  4. 会議運用の3ルール = ①7割の精度で進める ②主語・時期・対象を口に出す ③8原則のどれを使うかを宣言する
  5. なぜなぜ分析の出口は 改善の8原則のどれを使うかの宣言

【解決策付き】なぜなぜ分析ができない理由3選について解説しました。

そんなわたしも、最初の数年はフォーマットを持たずに白い紙となぜなぜを始めて、3つめの「なぜ?」で詰まっていた一人でした。準備の3点と会議運用の3ルールを揃えてから、現場でなぜなぜ分析が回るようになったのです。コツコツと積み上げて改善活動を進めていきましょう。

そもそも問題点が見つけられないと感じたら ▶ よくある問題点10選 から先に読むと、なぜなぜ分析の入り口が定まります。改善活動全体の地図は ▶ 中小製造業の現場改善 完全ガイド にまとめています。

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