【6ステップで向上】生産効率向上のススメ

改善
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16大ロスについては何となくわかったけど、現場や職場でどうやって改善していくの、、、?

そんな疑問にお答えします。

☑記事の内容

【6ステップで向上】生産効率向上のススメ

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説していきます。

【6ステップで向上】生産効率向上のススメ

生産効率向上のための16大ロスを改善するには6ステップで行っていきます。

  • ステップ1 設備7大ロスの低減
  • ステップ2 設備総合効率の向上
  • ステップ3 労働生産性の向上
  • ステップ4 昼休み無人化運転の推進
  • ステップ5 原価低減の推進
  • ステップ6 夜間無人運転の推進

労働生産性とは労働の成果を労働量で割ったもので「従業員1人当たり、または1時間当たりに生み出す成果」のことです。

まず、設備→人→原単位の順番で進めていくことを理解してください。

この順番を守ることで「人のロス改善を行ったけど、設備の改善を進めていくとまたロスが見えてきた、、、。」なんていう手戻りを防ぐことができます。

効率的な設備をベースにすることで、効率的な作業が可能になるのです。

生産効率向上の最終的な狙いは「製造原価の低減」です。

狙いのために、時間当たりの出来高増↑、一人当たりの労働生産性の向上↑、材料仕損費の低減↓などを行います。

ステップ1 設備7大ロスの低減

設備の7大ロスを定量的に測定し、その改善を行っていきます。

ロスの測定

まずはロスの測定を行います。

測定によりロス構造はどうなっているか?その大きさはどうか?などを把握していきます。

7大ロスの定義をしっかりと設定する(この停止はチョコ停ロストする。など)

測定の仕組みをができているか、データの精度は十分か確認する

などの「何のロスが」「どのくらい」をはっきりさせる準備を行ってから測定するようにします。

テーマのリストアップ

テーマのリストアップをします。

測定データからロスの寄与率、優先順位を明確にすることでテーマをリストアップします。

また、データからネック工程(一番効率が悪く、ほかの工程に悪影響を与えている工程)の順位付けを行い、何のロスでそうなっているのか?を考えテーマとしてリストアップします。

テーマの分類と担当決め

テーマを分類して担当を決めます。

リストップしたテーマは

寄与度 設備総合効率へどのくらい影響するか?

難易度 原因・対策はどの程度難しいか?

で分類をしていきます。寄与度は数値で表し、難易度は「簡単」「難易度中」「複数工程に関連する(難易度高)」「原因が不明で突発的(難易度高)」「原因が不明で慢性的(難易度高」で分類していきます。

その寄与度で、難易度から取り組む順番を検討します。

寄与度の大きい(改善の効果が高い)、難易度の低い(取り組みやすい)ことから取り組むのが一般的です。

また、難易度により担当を決めていきます。

担当決めのイメージは下記です。

自主保全活動などのサークルで改善するテーマ 難易度が「簡単」なテーマ

係長、班長クラスを中心として改善するテーマ 難易度が「中」テーマ

課長を中心として改善するテーマ 難易度が「高」のテーマ

スタッフ(保全、生産技術、製造担当)が中心となって解決するテーマ 難易度が「

高」のテーマ

プロジェクトチームによって解決するテーマ 難易度が「高」のテーマ

改善に必要な知見と予算から分類していきます。

「原因が不明なテーマを現場のみで取り組むと時間ばっかりかかって解決しない、、、。」とならないための分類です。

各テーマの改善に取り組む

ここまでの準備ができたら、取り組むのみです。

テーマについて改善を進めていきましょう。

ステップ2 設備総合効率向上のためのロス改善

設備総合上率を上げるために7大ロスの改善のフォローを行います。

ステップ1で行った改善のフォローを行います。

改善の効果は出ているか?
改善は設備総合効率にどれだけ寄与したか、していない場合はその理由は何か?
7大ロスの構造に変化はあったか?
従来から発生している慢性的なもの以外に、突発的なロスはあるか?

今後重点的に解決するべきロスのテーマは何か

などを確認し、フォローしていきます。

ロス改善がうまく進んでいれば設備総合効率が向上しているはずです。

ロス改善を行っているのに向上しない場合は

  1. 前工程からのモノの流れが悪く、手待ちが多く発生している
  2. 段取り回数が多いまたは増加している

などの状態が考えられます。

前工程からのモノの流れが悪く、手待ちが多く発生している

この状態は7大ロスが減少し効率が上がったため見えてきた問題です。

つまり、もともとその傾向があったのですが、7大ロスに隠れていたのです。

この手待ちは「管理ロス」として次のステップで改善を進めていきます。

段取り回数が多いまたは増加している

7大ロスを改善していくと効率が上がり、多くの製品が生産できるようになってきます。

小ロット生産の場合、生産数が多くなるとの段取り回数が増加します。

7大ロす改善の効果より段取りの増加によるロスが上回ってい状態です。

1回あたりの段取りの時間を短縮する改善を進める必要があります。

ステップ3 労働生産性の向上

設備稼働効率を向上させた次は人の効率化を行います。

人の効率化を阻害する5大ロスについて改善を進めていきます。

基本的な流れは設備の7大ロス改善と同じですが、人の効率化は効果の確認が容易です。

ロスの測定

まずはロスの測定を行います。

実際の作業を確認して行います。必要に応じてビデオカメラ等を利用することもあります。

測定によりロス構造はどうなっているか?その大きさはどうか?などを把握していきます。

5大ロスの定義をしっかりと設定する(この停止はチョコ停ロストする。など)

どこで作業を区切って測定するかを決める

などの「何のロスが」「どのくらい」をはっきりさせる準備を行ってから測定するようにします。

テーマのリストアップ

テーマのリストアップをします。

測定データからロスの寄与率、優先順位を明確にすることでテーマをリストアップします。

テーマの分類と担当決め

テーマを分類して担当を決めます。

リストップしたテーマは

寄与度 人の効率化へどのくらい影響するか?

難易度 原因・対策はどの程度難しいか?

で分類をしていきます。寄与度は数値で表し、難易度は「簡単」「難易度中」「複数工程に関連する(難易度高)」「原因が不明で突発的(難易度高)」「原因が不明で慢性的(難易度高」で分類していきます。

その寄与度で、難易度から取り組む順番を検討します。

寄与度の大きい(改善の効果が高い)、難易度の低い(取り組みやすい)ことから取り組むのが一般的です。

また、難易度により担当を決めていきます。

担当決めのイメージは下記です。

自主保全活動などのサークルで改善するテーマ 難易度が「簡単」なテーマ

係長、班長クラスを中心として改善するテーマ 難易度が「中」テーマ

課長を中心として改善するテーマ 難易度が「高」のテーマ

スタッフ(保全、生産技術、製造担当)が中心となって解決するテーマ 難易度が「

高」のテーマ

プロジェクトチームによって解決するテーマ 難易度が「高」のテーマ

改善に必要な知見と予算から分類していきます。

各テーマの改善に取り組む

改善に取り組んできます。改善と測定を繰り返しましょう。

ステップ4 昼休み無人運転の推進

労働生産性をさらに向上させるために無人運転を目指します。

その第一歩として、昼休みやシフト間の無人運転を目指します。

昼休みを無人運転にすることができれば10%以上も生産性が向上することもあります。

昼休み無人運転のねらいを理解しチャレンジしてみましょう。

昼休み無人運転のねらい

  1. 生産性の向上
  2. 問題の顕在化(問題をあぶりだす)
  3. 問題点を解決するための技能レベルアッップ

特に顕在化される問題として

  1. 従来からの問題がさらに明確になる
  2. チョコ停がの発生感覚が意外に短く、また多発している
  3. 誤動作による停止がある
  4. 予期しない問題が起きる
  5. 設備の調整を行わないため、手直しが発生する
  6. センサーの異常による停止が発生する
  7. ワークの姿勢が悪く過負荷停止する

などがあります。

一つひとつ要因を分析し改善を進めていきましょう。

ステップ5 原価低減の推進

設備効率と労働生産性が向上すれば原価の低減もできているはずです。

どのように原価に反映しているか確認し、さらに改善を進めていきます。

確認する項目としては

  1. 原価目標に対してどうか?
  2. 変動費率は減少したか?
  3. 費目別に変化はないか?
  4. 場全体の収益改善にどのくらい貢献したか?

を確認し、足りないところ、効果の出ていないところは1ステップから見直します。

ステップ6 夜間無人化の推進

究極の生産効率である無人化運転を目指します。

そのための夜間無人化の推進です。

夜間無人化ができなくてもチャレンジすることで相当のレベルアップが感じられるはずです。

昼休み無人化の約10倍の時間を無人化運転させるには様々な問題があります。

特に「刃具の寿命」「ワークや製品の検査、計測」「条件の長時間維持」です。

これらの解決に向けて改善を進めることで無人運転時間を少しづつ伸ばしていきます。

まとめ

記事のまとめです。

生産性向上は6ステップで行う

  1. 設備のロスから取り組む
  2. ロス改善の難易度や寄与度によって担当者を決める
  3. 目指すは無人運転です

生産性向上を大きく6ステップで行う手順を解説しました。

各ステップでの細かな手順や手法は割愛させていただきました。

詳しく解説したページを作成予定です。