改善JAPANはJAPANはジャパンは『改善で世界を一歩進める』をテーマに取り組んでいきます。

【意外と知らない】5W2Hとは何?5W1Hとどう違うの?

💬 「5W2Hで考えろ」って言われたけど、5W1Hじゃないの、、、?

💬 How much (いくら) って、考えるのを毎回忘れちゃうんだよなぁ、、、

💬 本で読んだはずなのに、報告や企画で抜けモレが指摘される、、、。

そんな悩みにお答えします。

☑ 記事の内容

  1. 5W2Hとは何か ── 7つの確認事項
  2. なぜいま 5W1H ではなく 5W2H なのか (How much が抜けがちな理由)
  3. 7要素の使い分けと優先順位
  4. 5W2Hを使う4つの場面 (計画/報告/日報/企画)
  5. なぜなぜ分析・報連相との接続
  6. 5W2Hを習慣化する3つのコツ

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。現場で何百件もの改善計画・報告・日報を見てきた中で、伸びる人と止まる人を分けているのは 5W2H を口グセにできているかどうか だと確信しています。

そんな私が解説していきます。

改善活動の全体像については ▶ 中小製造業の現場改善 完全ガイド に、人と組織のマネジメント全体については ▶ 製造業の人と組織マネジメント 完全ガイド にまとめています。

5W2Hとは ── 7つの確認事項

5W2Hとは、計画・報告・企画を立てるときに必ず確認する 7つの要素 のことです。5W1H に「How much (いくら)」を1つ足したものになります。

要素 日本語 何を決めるか 質問例
Why なぜ 理由・目的 なぜこの改善をやるのか?
What 何を 対象・業務内容 具体的に何をやるのか?
Who だれが 担当・役割 誰が責任を持つのか?
When いつ 期間・期限 いつまでに完了させるのか?
Where どこで 場所・行き先 どこで実施するのか?
How much いくら 費用・工数・損失 いくらかかるのか?
How to manage どのように 方法・進捗管理 どうやって進めるのか?

5W1Hとの違いは、How much (いくら) が入っているかどうか、ただ1点です。たった1要素ですが、計画の質はここで大きく分かれます。

つまり 5W2H は、「やること」と「コスト」を切り離さずに考えるための型なのです。最近の現場ではコスト意識・働き方改革・人件費の見える化が当たり前になり、5W1H ではなく 5W2H が主流 になっています。

なぜいま 5W2H なのか ── How much が抜けがちな3つの理由

5W2H で一番抜けやすいのが How much です。私が現場で計画書・報告書を何百枚と見てきた経験では、ほぼ全員が最初は How much を書き忘れます。理由は次の3つです。

  1. 自分の人件費を計算する習慣がない ── 給料は毎月入る前提で、自分の1時間がいくらかを意識していない
  2. 「やればいい」発想で成果との対比が抜ける ── 仕事を終わらせること自体が目的になり、投じたコストとの比較が抜け落ちる
  3. 計算しなくても上司に怒られない ── 工数の見えない費用は指摘されにくいので、書かなくても通ってしまう

つまり、How much は「自然に出てくる項目」ではないのです。意識して書く習慣を付けない限り、永遠に抜け続けます。

How much を入れた瞬間に変わる3つのこと

逆に言うと、How much を1行入れるだけで計画の質は次の3点で一段上がります。

  • 中止の判断ができる ── 「2時間×5人=10時間かけて、得られる成果はそれに見合うか?」と問えるようになる
  • 規模を調整できる ── コストが見えると、人数を減らす・時間を短縮するなどの選択肢が見えてくる
  • 事後評価ができる ── 投じたコストと得られた成果を比べて、次回の精度を上げられる

How much は単なる費用記入欄ではなく、計画を「やる/やらない」「どこまでやるか」に絞るためのフィルターです。ここを抜くと、抜けモレや無駄な作業が増えていくのです。ミスや抜けモレを防ぐ具体的なアイデアは ▶ ミス改善のアイデア10選 にまとめています。

7要素の使い分け ── 順番と優先度

7要素は決まった順番で考えるのが基本ですが、場面によって優先順位を入れ替える柔軟さも必要です。

基本の順番 ── Why から始める

標準は、上から順番に Why → What → Who → When → Where → How much → How to manage です。

必ず Why から始めるのには理由があります。目的が定まっていない状態で What や Who を決めると、後から「そもそもこれ、何のためにやってるんだっけ?」と全部やり直しになるからです。Why が決まれば、What 以降は自然に絞れていきます。

順番を入れ替えていい場面

場面によっては、順番を入れ替えたほうが進めやすいケースもあります。

  • 場所が限られる ── 工場の特定ラインや会議室など、Where が先に決まる場合は Where 起点で組む
  • 期日が決まっている ── お客様への納期や決算日など、When が動かない場合は When を最初に固定
  • 予算上限が決まっている ── 補助金や予算枠が先にある場合は、How much を最初に置く

つまり「動かせない要素」を最初に固定して、残りを Why から順に埋めていく考え方です。型を覚えた上で、現場に合わせて崩すのがプロの使い方になります。

5W2Hを使う4つの場面 ── 改善ミーティングを題材に

5W2Hが活きる代表的な場面は次の4つです。

  1. 改善や仕事の計画を立てるとき
  2. 上司への報告をするとき
  3. 日報・記録を書くとき
  4. 企画や提案をするとき

① 改善計画 ── 「製造部内の改善ミーティング」の例

例として「製造部内の改善ミーティングを開催する」を題材に、5W2Hで計画を立ててみます。

  • Why ── 部内の改善事例を横展開し、来期の改善テーマを揃えるため
  • What ── 挨拶 / 実績報告 / 他現場展開リストアップ / 今後の予定打ち合わせ の4部構成
  • Who ── 挨拶=部長 / 報告=各係長 / リストアップ=自分とAさん / 打ち合わせ=部長+各係長
  • When ── 来月第2週の水曜 13:00-15:00 (2時間)
  • Where ── 第3会議室
  • How much ── 時給単価3,000円 × 8人 × 2時間 = 48,000円
  • How to manage ── アジェンダを前週金曜に配布、当日はガントチャートで進行管理

How much を 48,000円と明示すると、「この成果を得るために 48,000円分の時間を投じる価値があるか?」が問えるようになります。価値が見合わなければ、人数や時間を削るかミーティング自体を中止する判断ができるのです。

② 上司への報告

報告場面でも5W2Hは強力です。例えば災害報告であれば次のように整理します。

  • Why ── 業務手順の安全確保のため (再発防止につなげる)
  • What ── 切創災害が発生
  • Who ── A作業員 (入社3年目)
  • When ── 本日 午前11:20
  • Where ── A作業エリア・刃物交換工程
  • How much ── 現場検証+資料作成で約2時間 / 通院対応で半日
  • How to manage ── 1次報告 → 現場検証 → 2次報告 (本日中) → 再発防止策 (3日以内)

5W2Hで整理してから報告するだけで、上司から「で、いくらかかるの?」「で、どうするの?」と聞き返される回数が激減します。報連相そのものの精度を上げる具体策は ▶ 報連相のコツと事例 で詳しく解説しています。

③ 日報・記録

日報を「○○をやりました」だけで終わらせると、後から見返したときに何の情報も残りません。5W2Hの枠で書くだけで、立派な業務記録になります。

例: 「業務手順見直しのため (Why)現在の作業手順をフローチャート化 (What) を、自分とAさん (Who) で、本日10:00-13:00 (When)B会議室 (Where) にて実施。工数 4時間×2人 = 8時間 (How much)既存マニュアルを参照しつつ作成 (How to manage)。」

これだけで、翌月の振り返り・引き継ぎ・上司への中間報告がすべて1枚から組み直せます。

④ 企画・提案

「社内ソフトボール大会の企画」のような提案も同じ枠で整理できます。Why (社員親睦) / What (ソフトボール大会) / Who (製造部+管理部の全員) / When (5月13日 9:00-) / Where (市民球場Aグランド) / How much (グランド使用料・保険・飲料で◯円) / How to manage (メールで募集 → チーム分け → ガントチャートで運営)。提案資料の表紙に5W2Hの7行を載せるだけで、上司の決裁スピードがまったく違います。

なぜなぜ分析と5W2H ── 問題文を1行に絞る道具として使う

5W2Hは計画や報告の道具だと思われがちですが、実は なぜなぜ分析の入り口 でも欠かせません。なぜなぜ分析が途中で迷子になる人の多くは、問題文が広すぎることが原因です。

Before (絞れていない) After (5W2H で絞った)
ラインの不良率が高い 第2ラインのA工程で、今月から不良率が前月比2倍 (1.0% → 2.1%) になっている
若手が育たない 入社2年目のBさんが、3回連続で同じ手順ミスを繰り返している
会議が長い 毎週月曜10:00の生産会議が、ここ1ヶ月 予定60分のところ平均90分まで延びている

5W2Hの主語・時期・対象・数値を問題文に入れるだけで、「なぜ?」を問いやすくなるのです。範囲が絞れていない問題に「なぜ?」を5回問うと、3つめあたりで必ず迷子になります。

なぜなぜ分析が会議で止まる典型パターンと解決策は ▶ なぜなぜ分析ができない理由3選 にまとめています。問題文を5W2Hで絞る型は、なぜなぜ分析の「準備の3点」のうちの1つです。

5W2Hを習慣化する3つのコツ

5W2Hは知っていても、使えなければ意味がありません。私が現場で繰り返し若手に伝えてきた、習慣化のコツが3つあります。

コツ① A4 1枚に7欄を並べたメモを常備する

1つめは、A4 1枚に5W2Hの7欄を並べただけのメモ用紙を持ち歩くことです。手書きでもExcelでもかまいません。打ち合わせや報告のたびにこの7欄を埋めにいく癖を付けるだけで、3ヶ月で口グセになります。

コツ② 報告は必ず How much で締めくくる

2つめは、報告の最後に「工数は◯時間×◯人で◯円相当です」と一言添えることです。最初は不自然に感じますが、これを続けると上司の見方が変わります。コスト意識のある若手と認識されるようになり、任される仕事の幅も広がっていくのです。仕事ができる人とできない人を分ける具体的な行動は ▶ 仕事ができない人がやっていない7つの行動 にまとめています。

コツ③ 「ヌケた要素」を毎週1個だけ振り返る

3つめは、1週間に1度、その週に書いた計画・報告から「ヌケていた要素」を1つだけ振り返ることです。完璧を目指す必要はありません。Whoだけ抜けた、How muchだけ抜けた ── そんな小さな気づきを1つだけ翌週に反映させていきます。コツコツと積み上げて、3ヶ月後には7要素を漏れなく使えるようになります。

部下に5W2Hを教えても定着しない、と感じるリーダーは ▶ 部下が育たない理由 も合わせてどうぞ。教え方の問題か、振り返りの仕組みの問題か、切り分けるヒントがあります。

まとめ

記事のまとめです。

  1. 5W2Hとは Why / What / Who / When / Where / How much / How to manage の7つの確認事項
  2. 5W1Hとの違いは How much (いくら) があるかないか ── ここがコスト意識の差になる
  3. How much が抜ける理由は3つ ── ①人件費の意識がない ②やればいい発想 ③指摘されにくい
  4. 使う順番は基本 Why → … → How to manage、ただし「動かせない要素」がある場合は柔軟に入れ替える
  5. 活躍する場面は4つ ── 計画 / 報告 / 日報 / 企画
  6. なぜなぜ分析の 問題文を1行に絞る道具 としても5W2Hは使える
  7. 習慣化のコツは3つ ── ①A4 7欄メモ ②報告は How much で締める ③毎週1個だけ振り返る

5W2Hについて解説しました。

そんなわたしも、新人の頃は How much をいつも書き忘れて、上司から「で、いくらかかるの?」と毎回聞き返されていた一人です。A4 7欄のメモを常備して、報告を How much で締める癖を付けてから、計画の精度がはっきり変わりました。コツコツと積み上げて改善活動を進めていきましょう。

改善活動の全体像は ▶ 中小製造業の現場改善 完全ガイド に、人と組織のマネジメントは ▶ 製造業の人と組織マネジメント 完全ガイド にまとめています。

最新情報をチェックしよう!