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【完全ガイド】IE手法による現場改善 ── 工程分析と作業分析で隠れたムダを見つける7章

💬 IE手法ってよく聞くけど、何をすればいいのかさっぱり、、、

💬 現場のムダって見えにくいんだよなぁ、、、

💬 改善したいけど、データの取り方からわからない、、、。

そんな悩みにお答えします。

☑ 記事の内容

  1. IE手法とは何か (現場改善の体系・効果)
  2. 改善の進め方 ── 計画・実行・評価の3ステップ
  3. 工程分析の基本 (加工・検査・運搬・停滞)
  4. 4種類の工程分析 (製品・作業者・組み合わせ・付帯)
  5. 分析結果から改善案を作る具体手順

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説していきます。

改善活動の全体像については ▶ 中小製造業の現場改善 完全ガイド にまとめています。改善の方向性を決める ▶ 改善の8原則 とセットで読むと、現場で何をどう変えるかが具体化します。

IE 手法 全体マップ ── 4 要素 × 4 分析 × 3 ステップ

まずは IE 手法の全体像を 1 枚の図で押さえます。

上段の 4 要素 (加工・検査・運搬・停滞) が分析の基本単位、中段の 4 種類の工程分析 が目的別の使い分け、下段の 計画 → 実行 → 評価 が改善サイクルです。これから順番に解説していきます。

IE手法とは何か ── 現場のムダを数字で見える化する道具

IE手法とは Industrial Engineering (経営工学) の略で、現場の作業や工程を 数字で分析して改善する 一連の手法のことです。

「ムダがありそう」という感覚を、「ムダが○○秒・○○回ある」 と数字に置き換える ── これが IE 手法の本質です。数字にすることで、改善前後の比較ができ、効果が客観的に評価できるようになります。

IE手法を導入すると、現場には次のような変化が起きます。

  • 「なんとなくムダっぽい」が「ムダの大きさ」になる ── 改善の優先順位が決まる
  • 改善の効果が数字で出る ── 上層部への報告がしやすい
  • 誰がやっても同じ結論になる ── 属人化しない

逆に IE手法を使わずに改善すると、「気合いと根性で頑張ろう」になりがちで、続きません。続く改善には、数字の支えが必要 なのです。

改善の進め方 ── 計画 → 実行 → 評価の 3 ステップ

IE 手法による改善は、次の 3 ステップで進めます。

STEP 1. 改善を計画する

  1. 改善する問題点を見つけ出す ── パレート図で「上位 20%」を狙う
  2. 目標を立てる ── 「○○を○○秒短縮」と数値で書く
  3. 計画を立てる ── 誰がいつまでに何をするか

STEP 2. 改善を実行する

  1. 問題点を詳しく調べる ── これから紹介する 4 種類の工程分析を使う
  2. 改善案を考える ── ECRS の法則 (排除・結合・並べ替え・簡素化) で発想
  3. 改善案を実施する ── 小さく試して、効果を測る
  4. 改善事項を歯止めする ── 標準書を改定して定着させる

STEP 3. 改善を評価する

「改善した結果、本当に目標を達成したか」を数字で確認。目標未達なら次のサイクルに入ります。

このうち STEP 2 の「問題点を詳しく調べる」 が IE 手法のキモ。具体的に何をどう調べるかを、次から詳しく解説していきます。

工程分析の基本 ── 加工・検査・運搬・停滞の 4 要素

工程分析とは、製品や作業の流れを 4 つの基本要素 に分解して記録する手法です。

記号 要素 中身 価値
加工 形・性質を変える 価値あり
検査 品質を確かめる 必要
運搬 場所を移す ムダ候補
停滞 何もしない時間 ムダ候補

このうち 「加工」だけが価値を生み出す活動。残り 3 つは「ゼロにできるなら、ゼロにしたい」ものです。実際に分析してみると、加工時間が全体の 10〜20% しかない ことが珍しくありません。

「運搬」と「停滞」の見落としは特に多い。▶ よくある問題点 10 選 の半分は、運搬と停滞のムダです。

工程分析には、目的に応じて 4 種類あります。

  • 製品工程分析 ── モノの流れを追う
  • 作業者工程分析 ── 人の動きを追う
  • 組み合わせ作業分析 ── 人と機械の連動を見る
  • 付帯分析 ── 流れ・停滞・運搬・余力を細かく見る

製品工程分析 ── モノの流れを追う

製品工程分析 は、原材料が完成品になるまでの「モノの動き」を追跡します。

分析手順は次のとおり。

  1. 目的を決める ── 「リードタイム短縮」「在庫削減」など
  2. 工程範囲を決める ── どこからどこまでを見るか
  3. 対象製品を決める ── 多品種なら、生産量の多い品種を優先
  4. 日程計画を立てる ── いつ・誰が・どう記録するか
  5. 予備調査 ── 全体像をざっと把握 (1 日くらい)
  6. 本調査 ── 1 つずつの工程を時間・距離込みで記録
  7. 分析結果を整理 ── 加工 / 検査 / 運搬 / 停滞の比率を出す
  8. 改善案を作る ── 運搬と停滞の削減から

製品工程分析の主な狙いは、「滞留時間の削減」 です。製造リードタイムが長い原因の 80% は「停滞」にあります。

作業者工程分析 ── 人の動きを追う

作業者工程分析 は、特定の作業者の動きを追跡します。

こちらの分析対象は「人」。1 人のオペレーターが 1 日に何をどれだけしているかを、4 要素 (作業・検査・運搬・手待ち) で記録します。

手順は製品工程分析とほぼ同じですが、ポイントが 2 つ違います。

  • 「手待ち」を見つけるのが目的 ── 機械停止待ち・他工程待ち・指示待ち
  • 同じ作業者を 1 日中観察 ── 朝礼から終業までフル追跡

結果として「1 日の中で実際に作業しているのは 4 時間で、残り 4 時間は手待ちだった」というような事実が見えてきます。これがムダの正体 です。

組み合わせ作業分析 ── 作業者と機械の関係を見る

組み合わせ作業分析 は、人と機械の連動関係を分析します。代表的なのが 「作業者-機械分析」

この分析の主な活用シーンは 4 つ。

  1. 稼働率低下の原因発見 ── 機械が止まる原因を作業者側から特定
  2. 持ち台数の検討 ── 1 人が何台の機械を担当できるか
  3. 稼働重点の決定 ── 作業者と機械、どちらを優先するか
  4. 機械配置の改善資料 ── 動線を縮めるレイアウト

分析手順としては、横軸に時間、縦軸に「作業者」「機械 A」「機械 B」と書いて、それぞれが何をしているかを並列に記録します。すると 「作業者は動いてるが機械は止まっている」 といった非効率が一目でわかります。

付帯分析 ── 細部の流れ・停滞・運搬・余力を見る

付帯分析 は、工程分析の結果からさらに深掘りする手法で、4 種類あります。

① 流れ分析

工程間のモノの流れを レイアウト図 に矢印で書き込みます。逆流・交差・遠回りが一目でわかり、レイアウト変更の根拠になります。

② 停滞分析

「なぜ止まっているか」を細かく分類します。手順は次のとおり。

  1. 分析する停滞を決める (一番大きいやつ)
  2. 各停滞の調査をする (時間・場所・回数)
  3. 分析用紙に記入する
  4. 分析結果から改善を検討する

③ 運搬分析

運搬の 「回数 × 距離 × 質量」 を測ります。最もエネルギーを消費している運搬を見つけ、ゼロにできないかを考えます。

④ 余力分析

各工程の 能力と負荷 の差を見ます。能力 > 負荷なら余力あり、能力 < 負荷ならボトルネック。ボトルネック工程を特定して、生産能力全体の底上げを図ります。

まとめ ── IE 手法は「数字で見える化」の体系

記事のまとめです。

  1. IE 手法は、現場のムダを 数字で見える化 する道具の体系
  2. 改善は 計画 → 実行 → 評価 の 3 ステップで回す
  3. 工程分析の基本は 加工・検査・運搬・停滞 の 4 要素。価値があるのは加工だけ
  4. 製品工程分析 はモノの流れ。リードタイム短縮が目的
  5. 作業者工程分析 は人の動き。「手待ち」の発見が目的
  6. 組み合わせ作業分析 は人と機械の連動。持ち台数や稼働率に活用
  7. 付帯分析 (流れ・停滞・運搬・余力) で深掘りして改善案にする

IE 手法による現場改善について解説しました。

最初はとっつきにくいかもしれませんが、まずは 「作業者工程分析」を 1 日試す だけで現場の手待ちが見えてきます。そんなわたしも、IE 手法を最初に体験したときは「1 日中走り回っている作業者が、実は 4 割は手待ちだった」と衝撃を受けました。コツコツと数字を積み上げて、現場のムダを潰していきましょう。改善の方向性を整理する ▶ 改善の8原則 や、ロスの全体像をまとめた ▶ 16 大ロス もあわせてどうぞ。

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