最終更新: 2026-06-05
💬 デジタル化・AI導入補助金2026 って、結局2026年は何がどう変わったの、、、?
💬 通常枠とインボイス枠、ウチはどっちを取ればいいの?
💬 ITツールを選び始めたけど、何が補助対象なのか分からない、、、。
そんな悩みにお答えします。
☑ 記事の内容
- デジタル化・AI導入補助金2026 を 60 秒で把握する
- 自社は対象になるか? 6 つのチェックポイント
- 5 つの枠と補助額・補助率の選び方
- 2026 年公募スケジュールと逆算カレンダー (1次締切 2026年6月15日(月)17:00)
- 申請の全体像 14 ステップ
- 採択される事業計画書・対象 ITツール・必要書類のポイント
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を 10 年以上行ってきました。実績を金額に換算すると 1 億円以上の改善を行ってきたいわゆる改善のプロです。中小企業診断士として、ものづくり補助金・IT導入補助金・持続化補助金それぞれの申請現場で「ITツールを選び終わってから初めて公募要領を読んで、対象外と気づいて凍りつく」という現場を何度も見てきました。原因はほぼ毎回ひとつで、「補助金の制度設計を 60 秒で頭に入れずに走り始めた」 ことです。
そんな私が解説していきます。
本記事は 2026 年度のデジタル化・AI導入補助金 (旧: IT導入補助金) に特化して深掘りした記事 です。3 つの補助金 (ものづくり / IT導入 / 持続化) を横断して比較したい方は、まとめ記事の ▶ 中小製造業のための補助金活用 完全ガイド を先にご覧ください。
デジタル化・AI導入補助金2026 を 60 秒で
まず最短で全体像をつかみましょう。
なに?・いくら?・誰が?・いつ? (4 問即答)
| 問い | 答え (2026 年度時点) |
|---|---|
| なに? | 中小企業・小規模事業者が ITツール (ソフトウェア・サービス) を導入する費用 の一部を国が補助する制度。2026 年度から正式名称が 「デジタル化・AI導入補助金2026」 に変更 (旧: IT導入補助金) |
| いくら? | 通常枠: 5 万円〜450 万円以下 (補助率 1/2 以内、賃上げ条件で 2/3) / インボイス対応類型: 〜350 万円 (補助率 50万円以下部分 3/4、小規模事業者は 4/5) / セキュリティ対策推進枠: 5万〜150万円 |
| 誰が? | 日本国内で法人登記され、日本国内で事業を営む法人または個人 (中小企業の業種別定義あり / 個人事業主・一人社長も対象) |
| いつ? | 締切型。2026 年度 1 次締切: 2026 年 6 月 15 日 (月) 17:00。交付申請期間は 2026 年 3 月 30 日〜、2 次以降の締切は順次公表 |
事務局は 中小企業基盤整備機構より採択され、同機構および中小企業庁監督のもと TOPPAN株式会社が事務局業務を運営 しています。中小企業側 (補助事業者) と IT導入支援事業者 が共同で事務局に申請する共同事業体スキームです。
本記事の使い方
本記事は 入口 として使ってください。深掘りが必要な論点は、それぞれ専用の記事に分けてあります。各見出しの末尾に「詳しくは別記事『◯◯』で解説します」と案内するので、必要な章だけ拾い読みしてください。
3 制度を比較してから決めたい場合
ものづくり補助金・持続化補助金との使い分けから検討したい方は、まとめ記事 ▶ 中小製造業のための補助金活用 完全ガイド の第 1 章をご覧ください。本記事は「IT導入補助金で行く」と方向が決まった方向けです。
自社は対象になるか? 6 つのチェック
申請を考えるなら、まず 自社が補助対象に入るか を 30 秒で判定します。
中小企業の業種別定義
業種ごとに資本金・従業員数の閾値が決まっています。製造業を例にすると 資本金 3 億円以下 または 従業員 300 人以下 が該当します (サービス業は資本金 5 千万円以下 or 従業員 100 人以下、小売業は資本金 5 千万円以下 or 従業員 50 人以下、ゴム製品製造業は 3 億円以下 or 900 人以下など、業種ごとに閾値が異なります)。
個人事業主・小規模事業者・一人社長
これらも 原則対象 です。ただし、申請の対象外になる「みなし大企業」「みなし同一法人」のいずれにも該当しないことが必要です。
対象外になる典型ケース (公募要領 2-1-2)
以下の事業者は申請対象外です。
- みなし大企業: 発行済株式の 2 分の 1 以上を同一の大企業が所有 / 役員総数の 2 分の 1 以上が大企業役員 / 直近 3 年の課税所得年平均が 15 億円を超える 中小企業 など
- みなし同一法人 (1 社のみ申請可): 親会社が議決権の 50 % 超を有する子会社が存在する場合 / 個人が複数会社の議決権 50 % 超を保有する場合 など
- 風俗営業・宗教法人・法人格のない任意団体・反社会的勢力との関係を有する事業者
- 過去 1 年に労働関係法令違反で送検処分を受けた事業者
- 経済産業省又は中小機構から補助金交付等停止措置を受けている事業者
- IT導入補助金2022〜2025 で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から 12 か月以内 はデジタル化・AI導入補助金2026 通常枠で申請不可
必須要件 (公募要領 2-1-1 (2))
- 日本国内で法人登記され、日本国内で事業を営む
- 直近月において事業場内最低賃金が 法令上の地域別最低賃金以上
- GビズID プライムを取得 していること
- 独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) が実施する 「SECURITY ACTION」の★一つ星 または★★二つ星のいずれかの宣言 を行うこと
- 国及び中小機構等の他の補助金との重複事業ではない
補助金額 150 万円以上を申請する場合の追加要件
補助金額 150 万円以上を申請する場合は、3 年間の事業計画で以下のすべてを満たす必要があります (公募要領 2-1-1 (2) (ト))。
- 1 人当たり給与支給総額 (非常勤を含む全従業員) の年平均成長率を「物価安定の目標」+1 % 以上 に向上
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金 + 30 円以上 の水準にする
- 上記の賃金引上げ計画を従業員に表明する
30 秒チェックリスト
- ☐ 業種別の中小企業定義に該当する
- ☐ みなし大企業・みなし同一法人・対象外業種に当てはまらない
- ☐ GビズID プライムを取得 (または取得予定)
- ☐ SECURITY ACTION ★ または★★ の宣言ができる
- ☐ 直近月の事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上
- ☐ IT導入補助金2022〜2025 の通常枠で 12 か月以内に交付決定を受けていない
詳細な対象要件と特例の整理は、別記事『対象・要件をわかりやすく』(近日公開) で深掘りします。
5 つの枠と補助額・補助率の選び方
デジタル化・AI導入補助金2026 は 5 つの申請枠 で構成されます。枠の選び方 が採択率と補助額を大きく左右します。
通常枠
- 補助額: 5 万円〜150 万円未満 (1 プロセス以上) / 150 万円〜450 万円以下 (4 プロセス以上)
- 補助率: 1/2 以内 (※令和 6 年 10 月〜令和 7 年 9 月の期間で、地域別最低賃金以上〜令和 7 年度改定後の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の 30 % 以上である月が 3 か月以上ある場合は 2/3 以内)
- 補助対象経費: ソフトウェア購入費・クラウド利用費 (最大 2 年分)・導入関連費
インボイス枠 (インボイス対応類型)
- 補助額: ITツール (下限なし)〜350 万円 / PC・タブレット等 〜10 万円 / レジ・券売機 〜20 万円
- 補助率:
- 50 万円以下の部分: 3/4 以内 (※小規模事業者は 4/5 以内)
- 50 万円超〜350 万円の部分: 2/3 以内
- レジ・券売機: 1/2 以内
- 機能要件: 会計・受発注・決済のうち 1 機能以上 (50 万円以下) / 2 機能以上 (50 万円超)
- 補助対象経費にハードウェア関連費も含まれる枠 (PC・タブレット・レジ)
インボイス枠 (電子取引類型)
- 補助額: ITツール (下限なし)〜350 万円
- 補助率: 中小企業・小規模事業者等は 2/3 以内 / その他の事業者等は 1/2 以内
- 機能要件: インボイス制度に対応した受発注の機能を有し、かつ取引関係における発注側の事業者として ITツールを導入する者が、当該取引関係の受注側の事業者に対してアカウントを無償で発行し利用させられる機能を有するもの
セキュリティ対策推進枠
- 補助額: 5 万円〜150 万円
- 補助率: 中小企業は 1/2 以内 / 小規模事業者は 2/3 以内
- 対象サービス: IPA が公表する 「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」 に掲載されているいずれかのサービス
- 補助対象経費: サービス利用料 (最大 2 年分)
複数者連携デジタル化・AI導入枠
- 補助額: 基盤導入経費 (インボイス対応類型と同様) + 消費動向等分析経費 (補助上限額 50 万円 × グループ構成員数、補助率 2/3 以内) + その他経費 (事務費・専門家費等)
- 補助上限額: (1)+(2) の補助上限額は 3,000 万円
- 対象: 複数の中小企業が連携して ITツールを共同導入する場合 (商店街・組合・サプライチェーン)
枠選び 4 ステップ判定フロー
- インボイス制度対応または電子取引対応が主目的か? → Yes なら インボイス枠 (対応類型 / 電子取引類型のいずれか)
- サイバーセキュリティお助け隊サービスを導入したいか? → Yes なら セキュリティ対策推進枠
- 複数事業者で共同導入するか? → Yes なら 複数者連携デジタル化・AI導入枠
- 上記すべて該当しない → 通常枠
枠ごとの詳細な選び方と判定例は、別記事『補助額・補助率・枠の選び方』(近日公開) で深掘りします。
2026 年公募スケジュール
デジタル化・AI導入補助金2026 は 締切型 です。
2026 年度のスケジュール (公式公表分)
- 交付申請期間: 2026 年 3 月 30 日〜
- 1 次締切: 2026 年 6 月 15 日 (月) 17:00 (全枠共通)
- 2 次以降の締切: 公式が順次公表 (随時 ▶ 事業スケジュールページ で更新)
本記事は公募要領が改訂され次第、随時更新します (記事冒頭の「最終更新日」を参照)。
逆算カレンダー (締切から 8 週間前に何をするか)
| 締切から | やること |
|---|---|
| 8 週間前 | GビズID プライムの取得申請を開始 (取得まで約 2 週間) |
| 6 週間前 | IT導入支援事業者の選定・ITツールの仮決め |
| 4 週間前 | 事業計画書の初稿作成 + 添付書類の取り寄せ開始 + SECURITY ACTION ★ 宣言 |
| 2 週間前 | 事業計画書の見直し + 電子証憑準備 + IT導入支援事業者との最終調整 |
| 1 週間前 | オンライン申請の入力・提出 (締切日に出すと事故るので必ず前倒し) |
GビズID 取得を最初に動かす理由
GビズID プライムは 郵送審査でおよそ 2 週間 かかります (時期により 1 か月遅延の報告あり)。これが間に合わないと、ほかの 3 つの準備が完璧でも申請画面にすら入れません。「思い立ったらまず GビズID を申請する」 が鉄則です。
申請の流れ全体と各ステップの所要時間は、別記事『申請の流れ・スケジュール 2026』(近日公開) で深掘りします。
申請の全体像 (14 ステップ)
公募要領は補助事業を 14 ステップ で整理しています。本記事では理解しやすいよう 5 つのまとまりにグループ化して示します。
事前準備 (ステップ 1)
- 1: 補助事業に関する相談 + GビズID プライムの取得
交付申請 (ステップ 2〜7)
- 2: ITツールの選定・商談・見積依頼 (申請者 ⇔ IT導入支援事業者)
- 3: 申請マイページへの招待 (IT導入支援事業者 → 申請者)
- 4: 申請マイページの開設 (申請者 → 事務局)
- 5: 交付申請の作成 (申請者と IT導入支援事業者で分担)
- 6: 交付申請の提出
- 7: 事務局による交付決定
補助事業実施 (ステップ 8〜11)
- 8: ITツール契約・導入・代金支払い (この順番が大事: 契約 → 納品 → 支払い、または契約 → 支払い → 納品)
- 9: 実績報告の作成
- 10: 実績報告の提出
- 11: 補助金の額の確定・補助金の交付 (事務局 → 補助事業者)
補助金交付後 (ステップ 12〜14)
- 12: ITツール導入後のアフターフォロー
- 13: 効果報告の作成
- 14: 効果報告の提出 (3 年継続)
最大の落とし穴 ── フライング発注は補助金ゼロ
交付決定前に ITツールを契約・発注した場合は補助対象になりません (公募要領 留意事項 (イ))。「採択された気がしたから先に契約しちゃった」は 1 円も補助されません。
採択後の実務手順は、別記事『交付申請・実績報告』(近日公開) で深掘りします。
採択される事業計画書の書き方
事業計画書は 採択の最大の決定要因 です。
労働生産性の必須目標 (3 年間)
公募要領 2-1-1 (ク) で、事業計画期間 = 交付申請時点の翌事業年度以降 3 年間 の事業計画策定が必須です。
- 1 年後に労働生産性を 3 % 以上向上 させる (※過去 IT 補助金 2023〜2025 通常枠等の交付決定を受けた事業者は 4 % 以上)
- 事業計画期間において、労働生産性の年平均成長率を 3 % 以上 (過去採択者は 4 % 以上)
- 労働生産性の計算式: (営業利益 + 人件費 + 減価償却費) ÷ 年間の事業者当たり総労働時間
採択の 3 原則を再確認
「数字で語る」「なぜそれをやるのか」「審査員を想像する」── まとめ記事 ▶ 補助金ロードマップ第 3 章 で詳しく解説しています。
製造業の記入例
例: AI 動画解析ツールを導入し、外観検査工数を 1 日 4 時間 → 1 日 1 時間に削減、3 年後に労働生産性 12 % 向上、投資回収 1.8 年。数字 + 業務プロセスの具体描写 + 根拠 をワンセットで書くと採択率が上がります。
採択される事業計画書のテンプレートと業種別の記入例は、別記事『採択される事業計画の書き方』(近日公開) で深掘りします。
対象 ITツールの探し方・選び方
デジタル化・AI導入補助金で 採択されるツールは公式に登録されたものだけ です。
公式ツール検索の使い方
▶ it-shien.smrj.go.jp でツール名・カテゴリ・プロセス別に検索できます。登録ツール以外は対象外 なので、ここに載っていない自作システムや海外 SaaS は使えません。
もし対象 ITツールに合うものがなかったら
自社が入れたい ITツールが公式の登録ツール一覧に見つからなかった場合、選択肢は 2 つあります。
- 他の補助金・助成金で使えないか探す: ものづくり補助金 (機械設備が含まれる場合)・小規模事業者持続化補助金 (販路開拓と組み合わせる場合)・自治体独自の DX 補助金などが候補になります。3 制度横断の使い分けと探し方は、まとめ記事 ▶ 中小製造業のための補助金活用 完全ガイド と、公的な補助金検索サイト ▶ ミラサポplus で探せます。
- IT導入支援事業者に「対応ツールへの登録予定」を聞く: ベンダーが既に申請手続き中の場合があります。
補助対象経費の 3 大分類
公募要領 2-2 で対象経費は次の 3 大分類に整理されています。
- 大分類I「ソフトウェア」 (カテゴリー 1): クラウド利用料は 最大 2 年分
- 大分類II「オプション」 (カテゴリー 2 機能拡張 / 3 データ連携 / 4 セキュリティ): 最大 1 年分
- 大分類III「役務」 (カテゴリー 5 導入コンサル / 6 マニュアル作成・研修 / 7 保守サポート): 上限 200 万円
補助対象外: 交通費・宿泊費・補助金申請代行費・消費税・対外的に無償提供されているもの・リース/レンタル契約 (お助け隊サービス除く)・中古品・交付決定前に購入した ITツール
ツール選定 4 つの基準
- 業務適合: 自社の課題に直接効くか
- 補助対象機能: 補助金の交付対象機能 (プロセス番号) を持つか
- サポート体制: 導入後に伴走してくれる IT導入支援事業者か
- 価格: 補助率を考慮した実質負担額が妥当か
AI型ツールを選ぶ場合の追加観点
生成 AI・汎用 AI を業務利用する場合、情報セキュリティ の観点が必須になります (詳しくは別記事『生成AI・汎用AI業務利用のセキュリティ』(近日公開) で深掘り)。
ツール選定のより詳細な基準と判定フローは、別記事『対象 ITツールの探し方・選び方』(近日公開) で深掘りします。なお当事務所が提供している TehonAI (動画から作業手順書を自動生成する AI ツール) は、対象ツール登録手続き完了後 (2026 年 7 月予定) に公式ツールとして紹介する予定です。
必要書類チェックリスト
法人と個人事業主で揃える書類が変わります。
法人の場合 (公募要領 3-2 (2))
- GビズID プライムアカウント
- 履歴事項全部証明書 (発行から 3 か月以内)
- 法人税の納税証明書 (その 1 または その 2) ── 税務署発行の直近分
- 直近分の貸借対照表 (BS) および損益計算書 (PL)
個人事業主の場合
- GビズID プライムアカウント
- 本人確認書類: 運転免許証 (有効期限内) / 運転経歴証明書 / 住民票 (発行から 3 か月以内) のいずれか
- 所得税の納税証明書 (その 1 または その 2) ── 直近分
- 直近分の確定申告書の控え (税務署受付印または受信通知)
- 所得税の青色申告決算書または収支内訳書
補助率 2/3 を受ける場合の追加書類
賃金状況報告シート (補助率引上げ・加点措置①用) ── 本事業ホームページから所定様式をダウンロードして記入。
書類の注意点
- マイナンバー・保険者番号等の個人情報は 黒塗り にする
- 納税証明書は 「納税した領収書」ではなく「納税証明書 (その 1 / その 2)」
- 税理士の印のみが押印された書類は適切な添付資料として取り扱われない
必要書類の網羅版チェックリストと取り寄せ手順は、既存記事 ▶ 補助金の申請をオンラインで行うために絶対必要な準備 も合わせてご覧ください。深掘りは別記事『必要書類チェックリスト』(近日公開) で。
不採択・減点を避けるためのチェック
採択率は公募回・枠により変動します (具体的な採択率は公募要領未記載・採択結果ページで事後公表)。落ちる理由には型があります。
不採択の典型パターン
公募要領 3-3 (1) によれば、交付申請内容に不備があれば事務局から不備訂正を求められ、解消できなければ不採択になります。実務上の落とし穴は次の 5 つです。
- 要件不足: 申請枠の要件 (例: インボイス対応機能 / SECURITY ACTION 宣言) を満たさないツール選定
- 計画曖昧: 生産性向上の根拠が定性的にしか書かれていない
- 数字なし: 労働生産性 (1 年後 3 % 以上 / 年平均 3 % 以上) の根拠が空欄
- 整合性なし: 事業計画と決算実績がかけ離れている
- 期日違反: 「契約・発注は採択通知後」のルール違反 (フライング)
減点対象 (公募要領 3-3 (2) ②)
- IT導入補助金 2022〜2025 で交付決定を受けた事業者
- インボイス枠 (インボイス対応類型・電子取引類型) で同時申請中の事業者
- IT導入補助金 2024 / 2025 で交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアのプロセスが重複する事業者 (プロセスが完全に一致する場合は 不採択)
- 賃上げ計画による加点を受けながら未達成だった事業者
加点項目 (主要 5 つ)
公募要領 3-3 (2) ① に 加点項目が 15 個 定義されています。主要なものは次の 5 つ。
- クラウド製品の選定 (1)
- サイバーセキュリティお助け隊サービスの選定 (2)
- インボイス制度対応製品の選定 (3)
- 賃上げ計画の上乗せ (地域別最低賃金 +50 円以上の水準を目指す等)
- 健康経営優良法人 2026 認定 / 女性活躍推進法 (えるぼし) / 次世代法 (くるみん) 認定
加点項目を意識して申請するだけで採択率は変わります。加点 15 項目の網羅と組み立て方は、別記事『よくある不採択理由と対策』(近日公開) で解説します。
二次募集に再申請するときの修正ポイント
不採択でも 次回以降の締切回で再申請可能 です。事務局のフィードバック (採点根拠) は公開されないため、上記 5 パターン + 加点 15 項目を自己点検して修正します。
AI型ツールで使う場合のポイント
AI ツール (画像解析・動画解析・需要予測・生成 AI 等) で IT導入補助金を使うケースが増えています。
AI型ツールは IT導入補助金で使えるのか?
使えます。公式の対象 ITツール検索で「AI」「機械学習」「画像認識」等で検索すると、登録済みの AI ツールが見つかります。
生成 AI・汎用 AI 業務利用時のセキュリティ留意
ChatGPT 等の汎用 AI を業務で使う場合は、機密情報を入力しない・社内ルールを整備する ことが必須です。情報セキュリティ基本方針 (ISMS-lite) の整備が、補助金の必須要件である SECURITY ACTION ★宣言にも繋がります (別記事『生成AI・汎用AI業務利用のセキュリティ』(近日公開) で深掘り)。
製造業の活用例
外観検査 AI / 動画解析による作業マニュアル化 / 予知保全 / 需要予測 AI などが製造業で増えています。当事務所では TehonAI (動画から作業手順書を自動生成する AI ツール) を提供予定です (公式ツール登録完了は 2026 年 7 月予定)。
AI 型ツールの活用ポイントは別記事『AI 型ツールで使う場合のポイント』(近日公開) および AI まとめ記事 ▶ AI 導入完全ガイド で深掘りします。
採択後にやること ── 効果報告 3 年間
採択は ゴールではなくスタート です。3 年間の継続報告が義務です。
事業の実施 → 実績報告 (交付決定日 〜 6 か月程度)
公募要領 3-4 で、補助事業の実施・実績報告期間は 交付決定日から 6 か月程度 と定められています。
順序は 必ず: ① ITツール契約・発注 → ② ITツール納品・導入 → ③ ITツール代金の請求・支払い。
支払いは銀行振込またはクレジットカード 1 回 (一括) 払いのみ。分割払い・リボ払い・現金払いは対象外。
効果報告 3 年間スケジュール (公募要領 3-5)
採択後 3 年間、毎年労働生産性指標の実績を事務局へ報告します。
| 年度 | 効果報告対象期間 | 効果報告期間 |
|---|---|---|
| 事業計画期間前 | ITツール導入後 〜 | 2027 年 3 月 〜 |
| 1 年度目 | 交付申請時点の翌事業年度 | 2028 年 4 月 〜 2029 年 1 月 |
| 2 年度目 | 前年度の翌事業年度 | 2029 年 4 月 〜 2030 年 1 月 |
| 3 年度目 | 前年度の翌事業年度 | 2030 年 4 月 〜 2031 年 1 月 |
「報告しない」「計画値未達成」はペナルティ (補助金返還) の対象です。
賃上げ未達ペナルティ (補助金額 150 万円以上の場合)
事業場内最低賃金の増加目標が未達のとき:
- 1 年度目で未達 → 補助金 全額返還
- 2 年度目で未達 → 補助金 2/3 を返還
- 3 年度目で未達 → 補助金 1/3 を返還
(補助金 450 万円のケース: 1 年目未達なら 450 万円返還、3 年目未達なら 150 万円返還)
ただし、付加価値額増加率が年平均成長率 1.5 % に達しない場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を求めない、という救済規定もあります。
書類は 5 年保管
交付決定通知書・契約書・注文書・納品書・請求書・振込受領書・領収書・役務の実施実態資料 (業務日誌・勤怠管理簿等) は、補助事業完了の日の属する年度終了後 5 年間 保管が必要です。
採択後の実務手順詳細は、別記事『交付申請・実績報告』(近日公開) で深掘りします。
他補助金との違い・併用
「IT導入補助金とものづくり補助金、どっちが向いている?」という質問は多く受けます。
ものづくり補助金との使い分け
設備投資 (機械・装置) が主目的 ならものづくり補助金。ソフトウェア・SaaS 導入が主目的 ならデジタル化・AI導入補助金。詳しくはまとめ記事 ▶ 補助金ロードマップ第 1 章 1-1 ものづくり補助金 で解説しています。
持続化補助金との使い分け
50 万円規模の小回り重視 なら持続化補助金。販路開拓 (Web サイト構築・チラシ・展示会出展) も対象。詳しくはまとめ記事 ▶ 補助金ロードマップ第 1 章 1-3 で。
併用可否
同じ経費を 2 つの補助金で重複申請するのは禁止 です (公募要領 2-1-1 (キ))。ただし「ものづくり補助金で設備、デジタル化・AI導入補助金でソフトウェア」のように経費を分ければ並行活用可能。
3 制度の使い分けと併用の詳細は、別記事『他補助金との違い・併用』(近日公開) で深掘りします。
まとめ
記事のまとめです。
5 行サマリー
- デジタル化・AI導入補助金2026 は 2026 年度から改称された ITツール導入支援制度 (旧: IT導入補助金)
- 2026 年 6 月 15 日 (月) 17:00 が 1 次締切 (全枠共通)
- 5 つの申請枠 (通常 / インボイス対応類型 / 電子取引類型 / セキュリティ対策推進 / 複数者連携デジタル化・AI 導入) から 枠選び 4 ステップ判定 で迷わない
- GビズID プライム取得 + SECURITY ACTION ★宣言 が必須要件
- 採択 = スタート。フライング発注は補助金ゼロ + 効果報告 3 年継続 + 賃上げ未達ペナルティ まで含めて準備
次に読む
- 別記事『対象・要件をわかりやすく』(近日公開)
- 別記事『補助額・補助率・枠の選び方』(近日公開)
- 別記事『申請の流れ・スケジュール 2026』(近日公開)
- 別記事『必要書類チェックリスト』(近日公開)
- 別記事『対象 ITツールの探し方・選び方』(近日公開)
- まとめ記事 ▶ 補助金ロードマップ (3 制度横断で比較したい方へ)
- まとめ記事 ▶ AI 導入完全ガイド (AI ツールから入る場合)
- 既存記事 ▶ 補助金の申請をオンラインで行うために絶対必要な準備 (申請オンライン準備の詳細)
個別相談
「自社のどの業務にデジタル化・AI導入補助金が一番効くか分からない」「事業計画書の数字をどう作ればいいか相談したい」── そんなときは ▶ あすなろ経営研究所 で個別相談を承っています。中小企業診断士として、これまでの改善実績 (自動車メーカー工場 10 年以上・1 億円規模) を踏まえて伴走します。
デジタル化・AI導入補助金2026 についての要点を解説しました。コツコツと積み上げて、確実な採択を勝ち取っていきましょう。