【IE手法による現場改善②】工程分析について知る

改善
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IE手法の工程分析についてしりたいな、、、。

そんな悩みにお答えします。

☑記事の内容

【IE手法による現場改善②】工程分析について

  1. 製品工程分析
  2. 作業者工程分析
  3. 組み合わせ作業分析

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説していきます。

【IE手法による現場改善②】工程分析について

工程分析とは、工程での「物の流れ」「人の流れ」の状態を記号で表すことによって工程全体の基本的な問題を把握する手法です。

「問題工程の発見」「改善の基礎資料」「工程改善や作業改善の報告時に図表でわかりやすくする」といった用途で利用します。

工程とは、「材料が加工されたり、検査されたり、運搬されたり、停滞しながら、製品になっていく過程」のことです。

加工

加工とは、材料や製品の形や寸法、性質を変えたり、組み立や分解等を行うことです。

工程の目的は材料を製品に近づけることですから、加工はこの目標を直接的に果たす工程です。

この加工の割合を大きくしたり、効率を向上させることが重要になります。

検査

検査とは、材料または製品、半製品が実際に所定の品質または数量を満足するか同課の基準と比較することです。

その合否を判定するだけではなく、前工程の良し悪しを判断することもあります。

検査は製品を造るのに必ず必要ではなく、基準どおりの加工ができていれば検査は不要な工程です。

設備や工具などを整備、改善、自動化を進めていくことにより検査の比率を下げても品質が保てるようにします。

運搬

運搬とは、材料や製品の位置を変えることです。つまり、次の工程へものを移動することです。

運搬は加工や検査を結びつける働きをしますが、材料を製品に変える働きはないため削減、排除していくことが重要です。

停滞

停滞とは、物が加工、検査、運搬が行われずに一定の場所にとどまっている状態をいいます。

加工や検査工程の時間調整に役立ち手待ちを防ぐという役割もありますが、工程の目的から考えると不要ですので削減、排除していくことが重要です。

行程を製品の流れで説明しました。

作業者が場所を変えながら仕事をしている場合も同じ考え方ができます。

作業者の行動を作業(加工)、検査、移動(運搬)、手待ち(停滞)に分けて考えていきます。

工程分析のねらい

工程分析のねらいは、工程の状況を全体的な立場から知り、問題点をつかむことです。具体的には以下のようなことです。

  1. 工程の現状を知る
  2. 工程の流れを順序だてて把握する
  3. 工程の前後関係を明らかにする
  4. 各工程のおおよその時間を知る
  5. 交代のバランス状態を知る
  6. 工程の問題点を見つけ出す
  7. ムダな工程を見つける
  8. 工数が多いなどの、問題のある工程を見つける
  9. 停滞や手待ちなどを見つける

工程分析の種類

分析の対象を「モノの流れ」とした製品工程分析と「人の動き」とした作業者工程分析、作業者と機械との関係や共同作業をする複数の関係を分析する手法として組み合わせ作業分析があります。

製品工程分析

材料、部品、製品等の生産対象が、加工や検査を受けながら変化をしていく過程を「モノ」中心に分析する手法です。

複数の作業者や複数の機械が一つの製品を次々に取り扱っている場合等に適しています。

  • 目的:製品の流れを知る
  • 利点:物が流れている場合はどのような工程でも分析できる
  • 欠点:作業者の行動がわからない

作業者工程分析

作業者の製品や生産対象物に対する働きかけを「作業者」中心に表す手法です。

一人の作業者が場所を変えながら、いくつかの製品や機械を扱っている場合に適しています。

  • 目的:作業者の仕事の流れを知る
  • 利点:作業者のムダな動きを簡単に見つけることができる、作業者自身が作業方法を改善するのに有効
  • 欠点:作業者により分析の結果が異なることがある、実際に作業を確認しながらの分析が必要

組み合わせ作業分析

作業者と機械や複数の作業者の共同作業等お互いの関係を知るときに用いる手法です。

  • 目的:人と機械、人と人の時間関係を知る
  • 利点:互いの時間関係から遊ぶ時間がわかる、人や機械の稼働状況を図表で知ることができる
  • 欠点:互いに時間関係がない場合は分析しても意味がない、ある程度正確な時間値を求める必要がある

これら3つの手法を分析の対象や目的の工程状態により使い分けていきます。

工程分析を行う際の注意点

  1. 分析する対象を間違えないようにする
  2. 分析を確実に行い、改善活動に結び付ける
  3. 分析の漏れがないように、最初に分析の範囲を決めておく
  4. 実際に現場で作業者と一緒に考えながら分析する
  5. 工程の流れが変化する場合は、最も基本的な生産の流れに基づいて分析する
  6. 分析中に改善のアイデアを考えておく
  7. 改善案は個別改善より工程全体の改善から考える

製品工程分析

製品工程分析とは、製造工程における材料や製品の流れの状態を図表化する方法です。

ねらい

  1. 製品の流れを順序だてて知る
  2. 製品の流れを加工、検査、運搬、停滞の状態で把握し、その回数や比率を知る
  3. 製品の運搬状態を知る
  4. 製品の停滞場所を知る
  5. 製品がスムーズに流れない原因を知る

用途

  1. 製品の流れに関する問題点を把握するために活用する
  2. 各工程を詳細に分析し、改善するための基礎資料とする
  3. 工程のバランスを検討するための資料とする
  4. 工程改善の目標を設定する場合に利用する
  5. 工程改善の効果を確認する場合に活用する

手順

分析の目的を決める

  1. 工程の範囲を決める
  2. 分析対象となる製品を決める
  3. 分析の日程計画を立てる
  4. 予備調査をする
  5. 分析の準備をする
  6. 分析用紙に必要事項を記入する
  7. 工程の内容を知らべ4種に分類する
  8. 調査事項を各項目の欄に記入する
  9. 結果を整理し総括表を作成する
  10. 流れ線図を作成する
  11. 分析結果を検討し、改善案を立案する

詳細については後日別記事にてまとめ、解説する予定です。

作業者工程分析

作業者工程分析とは一連のまとまった作業を行う作業者の行動を「作業」「検査」「移動」「手待ち」を表す記号を用いて図表化することにより、作業の流れを基本的、全体的に知る手法です。

ねらい

  1. 作業者の活動を順序だてて把握できる
  2. 作業者の活動を「作業」「移動」「検査」「手待ち」の状態で把握し、その回数や時間の比率を見ることができる
  3. ムダな手待ちや空手移動(何もせず移動だけすること)を見つけることができる
  4. 各作業の目的を明確にすることができる

用途

  1. 作業者の仕事の流れに関する問題点を把握するために活用できる
  2. 作業の大まかな標準を作るために活用できる
  3. 作業改善の目標を設定するために活用できる
  4. 作業改善の効果の確認に活用できる

手順

  1. 分析の目的を決める
  2. 分析対象となる作業者を決める
  3. 作業の範囲を決める
  4. 分析の計画、準備をする
  5. 分析用紙に必要事項を記入する
  6. 作業者の行動を分析し、記入する
  7. 作業内容を調査し、各項目ごとに記入する
  8. 結果を整理し、総括表を作成する
  9. 流れ線図を作成する
  10. 分析結果を検討し、改善案を立案する

詳細については後日別記事にてまとめ、解説する予定です。

組み合わせ作業分析

組み合わせ作業分析とは、人と機械、人と人の組み合わせ作業の時間経過を分析、図表化することにより、人または機械に発生している「あそび」「手待ち」などの遊休時間を発見し、仕事の編成をかいぜんする手法です。

ねらい

  1. 自動機械作業、共同作業などで手待ち、あそびをなくし、作業負荷を均等にする
  2. 機械受け持ち台数、共同作業人数や組の数を適正なものに決める

用途

  1. 多量生産設備の稼働率を上げようとするとき
  2. 共同作業の編成をするとき、または編成を改善するとき
  3. 一人あるいは複数の作業者が、何台の機械を操作できるか検討するとき
  4. 設備、機械を改善するとき

手順

手順は、「作業者ー機械分析」「共同作業者分析」とも作業者分析と同じ手順で進めていきます。

  1. 分析の目的を決める
  2. 分析対象となる作業者を決める
  3. 作業の範囲を決める
  4. 分析の計画、準備をする
  5. 分析用紙に必要事項を記入する
  6. 作業者の行動を分析し、記入する
  7. 作業内容を調査し、各項目ごとに記入する
  8. 結果を整理し、総括表を作成する
  9. 流れ線図を作成する
  10. 分析結果を検討し、改善案を立案する

まとめ

☑記事のまとめです

  1. 工程分析とは、工程での「物の流れ」「人の流れ」の状態を記号で表し工程全体の問題を把握する手法です。
  2. 製品工程分析→分析の対象が「モノの流れ」
  3. 作業者工程分析→分析の対象が「人の動き」
  4. 組み合わせ作業分析→作業者と機械との関係や共同作業をする複数の関係を分析

IE手法の工程分析について大枠を解説しました。

各分析についての詳細は別記事で解説予定です。