「朝礼」は何のために行っているのか?

仕事の基本

朝礼って意味あるのかな、、、。

そんな疑問にお答えします。

☑記事の内容

  1. 「朝礼」は何のために行っているのか?
  2. ダメな朝礼の事例
  3. 朝礼で取り組みたいこと3選

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説します。

「朝礼」は何のために行っているのか?

ほとんどの会社や職場で「朝礼」は実施されていると思います。朝礼は何のために行っているのでしょうか?一般的には以下のような目的があります。

  1. 情報共有とコミュニケーションの促進
  2. モチベーションアップ
  3. エンゲージメントの向上

情報共有とコミュニケーションの促進

会社や職場内の情報共有と社員間のコミュニケーションの促進の目的があります。

情報共有はイメージしやすいと思います。業務の進捗具合や突発的な情報を共有します。メンバー間や上司、部下かんで情報を共有することで業務の効率化を図ります。

朝礼でのスピーチやなどはコミュニケーションの促進のために行われます。スピーチの内容や、その話しぶりを通じて普段知れないその人の人となりを知ることができます。また、そのスピーチ内容をきっかけに会話が生まれるなどの効果があります。

モチベーションアップ

朝礼はモチベーションの向上効果が期待できます。

上司などが模範的な行動や考えをスピーチで示すことで、社員としてあるべき姿を理解し、仕事への取り組み姿勢の向上につながります。

また、高い業績に対して朝礼の場で表彰を行うなうことで、メンバーの前で評価されることになります。これによりメンバー一人一人のモチベーション向上が期待できます。

エンゲージメントの向上

エンゲージメントとは、「個人と組織の成長の方向性が連動していて、互いに貢献しあえる関係」の度合いです。

企業と従業員の結びつきが強い状態を「エンゲージメントが高い」と表現します・

朝礼で企業理念やビジョンを示すことで、エンゲージメントの向上効果を期待できます。

ダメな朝礼の事例

ダメな朝礼の事例を紹介します。もし、このような朝礼になっているのなら本来の朝礼の意味をなしていない可能性が高いので見直しが必要かもしれません。

  1. 悪い情報しかない、否定の発言が多い
  2. 当たり前の情報しか共有されない
  3. 演説のような長いスピーチ

悪い情報しかない、否定の発言が多い

朝礼での上長のスピーチや連絡事項の時に「悪い情報しか伝えられない」「否定の発言ばかり」といった事例です。

「今月も目標の達成が困難な状況で~~」「品質不良が多発しており、今週の目標は未達見込みです」「~~は無理です」「~~は無謀です」といった情報や発言です。

ネガティブな情報を朝から受けるとその日のモチベーションは下がってしまいます。これでは何のために朝礼を行っているのかわかりません。

ネガティブな情報を伝える必要があるならその情報にプラスして、ポジティブな対応策や行動指針を示しましょう。そうすることで前向きな姿勢で業務に取り組むことができます。

当たり前の情報しか共有されない

形骸化している朝礼にありがちな当たり前の情報の共有しかされないといった事例です。

昨日の業績、今日の予定といったものをまんべんなく伝えて終わり。といった具合です。これでは聞く側も「ふ~ん」と適当に聞いているだけとなってしまいます。

情報共有は大切ですが、参加者に本当に必要な情報に厳選して共有することが重要です。いつも「重要なこと」だけ伝えていれば聞く側も「朝礼は重要なことが共有される」と認識します。

朝礼をマンネリ化させずに役立つものにするためにも共有する情報は厳選し、濃度の濃いものにしましょう。

演説のような長いスピーチ

上長の長いスピーチがメインとなっている朝礼の事例です。

長いスピーチになればなるほど情報の濃度は低下し、聞き手にとって「苦痛」「時間の無駄だな」「理解できない」といった状態になってしまいます。

スピーチを行っている側で心当たりがあるのなら見直す努力が必要です。「うちの上司は物事をわかりやすく話せない人だ」といった評判になっているかもしれません。

スピーチを受ける側であれば新しい朝礼の方法を提案し、演説のようなスピーチを阻止しましょう。理想の朝礼を設計し、そのメリットを提案してみましょう。社風だからとあきらめるのはその後でもできます。

朝礼で取り組みたいこと3選

朝礼でぜひ取り組んでみるべきことを3つ紹介します。

  1. 雑談形式の朝礼
  2. 動きと声で元気いっぱいの朝礼
  3. 朝礼でワークを行う

雑談形式の朝礼

コミュニケーションの向上を重視した朝礼です。ランダムな人選で3~5人程度のチームを組み、「お題」にそって雑談を行います。

朝礼の時間を社員同士のコミュニケーションの場として活用する方法です。「お題」の選定によりある程度の内容のコントロールを行います。

通常の業務では関わる事がない人とコミュニケーションができ、活性化につながります。

動きと声で元気いっぱいの朝礼

スローガンや社訓の唱和、タッチアンドコールなど朝礼で行っていると思います。これらを思いっきり元気よく行う朝礼です。

大きな声や大きな動きで行うこで自然と活気が出てきます。また大きな声で行ったことは自然と身に付きやすい、行動に表れやすいといったメリットがあります。

最初は抵抗があるかもですが、初めて見ると朝から気分爽快!!となります。メリット

をしっかり提示し理解を得て、ぜひ一度試してみてください。

朝礼でワークを行う

朝礼の時間を使ってワークを行います。

ワークは何かしらのディスカッションを行い、一定の成果物を出すことを目標とします。成果物の精度や程度はメンバーのスキルや投下時間に応じて柔軟に設定します。

また、ワークも1回の朝礼で完結させるのではなく1週単位等で分割し継続するほうがおすすめです。

朝礼の時間を活用してワークに取り組むことで、メンバー間の意識の再認識や業務スキルの向上を図ることができます。また、新しい手法を取り入れる場合などは教育の効果も期待できます。

まとめ

記事のまとめです。

  1. 「朝礼」の目的
    1. 情報共有とコミュニケーションの促進
    2. モチベーションアップ
    3. エンゲージメントの向上
  2. ダメな朝礼
    1. 悪い情報しかない、否定の発言が多い
    2. 当たり前の情報しか共有されない
    3. 演説のような長いスピーチ
  3. 朝礼で取り組みたいこと
    1. 雑談形式の朝礼
    2. 動きと声で元気いっぱいの朝礼
    3. 朝礼でワークを行う

朝礼について解説しました。

朝礼は人数×時間×回数で考えるとかなりの工数がかかっていることがわかると思います。

朝礼の時間を有効に活用できるように工夫して業績向上につなげていきましょう。