業務目標ってどうやって決めるの、、、?
そんな疑問にお答えします。
☑記事の内容
- 業務目標を正しく設定するために
- 目標達成にはプロセスも重要
- モチベーションに「頼らない」目標達成法
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。
そんな私が解説します。
業務目標を正しく設定するために
業務目標を正しく設定するための3つのポイントについて解説します。
- 組織目標を反映していること
- 定量評価が可能な目標であること
- 自分に求められていることを把握してそれを目標にしていること
組織目標を反映していること
業務目標で一番大切なことは組織目標を反映していることです。「会社が成長しようとしている方向性や、解消したい問題」「部門の目標」「具体的にどの程度の成長を目標としているのか}などです。
自分の目標達成が会社や部門といった組織目標の達成に明確に貢献する必要があります。そのためには組織目標への十分な理解が必要です。
また、組織目標を効率的に達成するためには相乗効果を意識する必要があります。相乗効果とは個人の目標達成が互いに良い効果をもたらし「1+1=2」ではなく「1+1=3以上」となることです。これにより組織として大きな成果を出すことができます。
業務目標を設定する場合に「組織目標を反映している」「関係者との相乗効果はあるか」を意識する必要があります。
定量評価が可能な目標であること
目標設定は定量的であることが求められます。定量的とは数字で表すことのできる要素です。対となる概念として、定性的があります。定性的とは数値で表すことのできない「質」に関する要素です。
業績評価のタイミングで上司によって目標の達成度の評価をされます。この時に「定量評価」による評価を行います。ですので定量評価が可能な目標にする必要があります。
業種や職種によっては定量評価が難しいケースもありまが、可能な限り定量的評価が可能な目標設定を行いましょう。
定量評価が可能な目標のメリット・デメリットは以下になります。
- メリット
- 数値による公平な評価が可能
- 上司の私情が入りにくい
- 部下が目標を追いかけやすい
- デメリット
- 評価に融通をきかせにくい
- 期中の数値管理ができていないと評価が困難
参考までに、定性評価での目標のメリット・デメリットは以下になります。
- メリット
- 目標を立てることが容易
- 評価に融通をきかせいやすい
- デメリット
- 公正性に欠ける恐れがある
- 上司の私情が入りやすい
- 達成度は客観性に欠ける
自分に求められていることを把握してそれを目標にしていること
上司は部下に一定以上の成長と期待を持っています。
目標設定においてもこの「上司の求めていること」を把握して、目標の一つとすることが重要です。
「上司の求めていること」=「部下への期待値」ですので、この目標は上司の期待に応えることにつながります。
例えば社内において海外実習生のまとめ役を行っている場合は「実習生との意思疎通の効率化のため、英語能力の向上 TOEIC 750点」といった目標を設定します。
この場合であれば、実習生のまとめ役=適正なコミュニケーションによる効率的業務遂行スキルが求められていると仮定しています。
このスキルの定量的な目標としてTOEICの点数を目標とし、達成することで上司の求めていることを実現してきます。
目標達成にはプロセスも重要
- 目標達成までのプロセスをイメージする
- 各プロセスについてSMARTの法則で目標を決定する
目標達成までのプロセスをイメージする
目標を決定したらすぐに「目標達成までのプロセス」をイメージしておきます。
目標を決めた時点で人間の脳はもう達成したことと勘違いしてしまう性質があります、この勘違い性質は「期末になったのに何も達成していない」といった事態を招いてしまうのです。
目標を決定したらすぐに行動レベルでの「目標達成までのプロセス」をイメージし、スケジュールに落とし込みます。達成したその日から取り組むべきなのです。
各プロセスについてSMARTの法則で目標を決定する
各プロセスについても目標を設定し、そのの目標を「SMARTの法則」で決定します。
SMARTの法則は、目標設定のポイントを押さえた「S」「M」「A]「R」「T」の頭文字をとった法則です。それぞれについて解説します。
「S」Specific 明確な目標
何を行うのか明確に設定します。「頑張ります」「やります」といったあいまいな目標では実際に取り組もうと思っても「何をやるんだっけなぁ、、、。」となってしまいます。
「M」Measurable 測定可能な目標
前項でも解説した定量的な目標にします。各プロセスの目標も定量的な目標とすることで、進捗度合いや達成度といったものが明確になります。
「A」Achiecable 達成可能な目標
現実的で達成が可能な目標を設定します。「楽に達成できる」のではなく「努力を惜しまなければ何とか達成できる」といった少し背伸びした目標が良いとされています。
あまりに高い目標を設定しても「これは無理、、、。」と気が滅入ってしまいます。目安としては「1日単位の行動レベル」まで分割しても「無理」と思えることは目標として高すぎるといえます。
「R」Result-oriented 成果にこだわる目標
自分が手に入れたい成果である目標を設定します。
大きな目標達成のために本当に必要な目標なのか検討します。「どうしても必要だ!」と思えない目標やプロセスは再考してみます。
必要度の低い目標やプロセスは時間の無駄ですので排除し、必要度の高いものに集中することが重要です。
「T」 Time-bound 期限を決めた目標
期限を明確にした目標を設定します。「いつまでにこの目標を達成するか」ということです。
「~月中旬まで」ではなく「〇月×日まで」と日単位で設定します。当然リスケジュールも日単位での設定です。「~月中旬まで」と設定するとギリギリまで先延ばししてしう可能性が高くなったり、期限までの日数が多いと重要度を低く感じてしまう錯覚が生じてしまうからです。
モチベーションに「頼らない」目標達成法
実際に目標を設定し、プロセスも明確になったらあとは「やるだけ」です。「モチベーション」と呼ばれるものです。
しかし、この「モチベーション」が一番難しくコントロールしにくい部分でもあります。確実な解決策を紹介します。
それは「モチベーションに頼らない工夫をする」ことです。
モチベーションは不確かなもので外部環境に大きく左右されるものです。例えば「出社前に仲の良い友人や配偶者等と激しい口論を行う」といったことがあればその日の仕事のモチベーションは大きく下がってしまいます。
そのため「モチベーションに頼らない工夫をする」ことでモチベーションが低くても最低限のパフォーマンスを発揮し、モチベーションが高いときは+αでさらなるパフォーマンスを発揮できるようにします。
「モチベーションに頼らない工夫」とは基本的には「仕組み化」か「習慣化」になります。
「仕組み化」とは、どんな状況でもその仕組みの通りに行うことで成果が出せる状態です。
「習慣化」とは、歯磨きや入浴のように実行しなければ気持ち悪くなるような当たり前に行う状態です。
このどちらかを実行することができればモチベーションの管理は簡単になります。
簡単に取り組めるのは「習慣化」です。「朝の始業後1時間は目標達成のための業務のみ行う時間とする。そのため、会議予定や打ち合わせの予定を入れない」などのスケジュールを立てます。
約2か月程度続けることで習慣となり、自然と目標達成のための業務に集中できるようになります。また、周囲の人たちも「この人は始業後1時間は予定が空いていない」と認識してくれます
このように「目標達成のための業務に集中して取り組むこと」を習慣化することにより、モチベーションに関係なく一定の成果が出せるようになります。これに成功するとモチベーションの管理もほとんど必要としなくなります。
まとめ
記事のまとめです。
- 業務目標を正しく設定するために
- 組織目標を反映していること
- 定量評価が可能な目標であること
- 求められていることを目標とすること
- 目標達成までのプロセスをイメージする
- モチベーションに頼らない
目標設定とその達成方法について解説しました。
すでに目標設定が終わった人は、プロセスや習慣化について見直してみると新しい発見があるかもしれません。